5回目の訪問。 「曙橋 かず」は曙橋の和食店だ。 簡素で気楽な雰囲気の店内は、小料理屋という雰囲気。8人程掛けられるカウンタとテーブルが 一卓有る。 最初の皿は、赤貝やウドのぬた和え。貝の弾力感と味噌の柔らかさとの対比。 帆立貝の真薯の椀も良かった。真薯は丁寧な仕事振りで、口の中でハラリと解れる。出汁も素晴らしい。 滋賀の酒「北島」は、飲み口はスッキリしつつも軽すぎず、中々良かった。 蛸と茄子と鮟肝。蛸は一手間掛けて煮ており、弾力感が有りつつも柔らかく、印象に残る。茄子は出汁が染みている。鮟肝は滑らか。 鯛、縞鯵、烏賊などの刺身も堅実な味。 真魚鰹の焼き物は出色だった。微かに焦げ目を付けた焼き方。炭火ゆえか香りも良い。辛味の有る味噌を付けて、味の変化も楽しめる。 栃木の 大那 (だいな)は、かなりの辛口だが楽しめた。 蛍烏賊ともずくの酢の物は上品な味。 穴子、筍、芋は、柔らかく、出汁も上質。 酔右衛門(よえもん)は微発砲の変わった味。 和食店ながら主菜は牛肉。控え目に脂の乗った上質な素材で、外側に火が通り中は赤い焼き方も、とても良い。カウンターから調理の様子が見えるが、かなり時間を掛けて、じっくり焼いていた。和食店というより、上質なイタリア料理店で出てきそうな逸品だ。 締めは鱒の炊き込みご飯。ご飯への汁の染み込み具合が絶妙で、とても美味しい。 デザートは、アイスクリームを最中で包んだもの。アイスクリームは滑らかで、最中の皮はサクッとして驚くほど軽い。食感の組み合わせが見事だ。 客単価の低い店なので、使える食材に限りは有ると思うが、大将の技で素晴らしい料理が楽しめる。満足度の高い店だ。
