久保さんが独立して何年になるのだろう、時の流れは早いのでもう四、五年になるのかも知れない。新乾山の時代には随分といい鮨を食べさせて頂いたものだ。また河豚の季節の絶妙な白子やとうとう身、綺麗に脂の乗ったインド鮪の大トロ等々は二度と忘れることができない味であった。当時小生好みの握り手は大阪に三人いて、黒門近くの福喜鮨のご主人、帝国ホテル銀座久兵衛の仁川君、そして新乾山の久保さんであった。この三人の握りは中に空気が入っていて口に含むとホロリと解ける最上級のテクニックを駆使した握りで小生は彼らを大阪三名人と呼んでいたのである。久兵衛の仁川君は今は銀座本店に戻りご主人の片腕として活躍しているはずだ。福喜は近年行きつけていないのでご主人がその後付け場に立っておられるかどうか残念ながら存じ上げない。さて、久保さんであるが、念願の独立を果たし鮨職人としても人生としても今が一番脂が乗り切った時であるように思われる。北新地には「さえ喜」や「黒杉」といった名店が目白押しだが、笑顔、トークの洒脱さ、ユーモア、客あしらい、品格などを含めて考えた時、久保さんの右に出る握り手は先ずおられまい。この日も超久々かつ突然の訪問であったが見事な自然体で小生を迎え入れて下さった。今日の流れだが、造り、酒のアテはピカピカの鯛に始まって初めて食す感触の蛸、最上級の蒸しアワビ、純白の焼き鱧、焼き目も香ばしい鰹のタタキ、シメにはアイスランド産本鮪とベリーレアな味わいのものが続いた。握りは淡路由良の雲丹と北海道産馬糞雲丹、漬け鮪、車海老、煮穴子といった定番ものが供された。シャリは何時から変わったのかは知らねども以前と違って赤酢を加えた酢飯になっていた。前にも増して江戸前を意識しているのかも知れない。因みに昨今の北新地は赤酢を使った店ばかりになってしまって小生としては好むところではない。先ず見た目が美しくないし、舌のアタリも良くないように感じるからである。本場銀座の店々があえて赤酢を使わず銀シャリに徹しているのに何が故に見目汚らしい赤酢に退化しなければならないのであろうか。流行とは恐ろしいものだとつくづく思う小生なのである。さてこの日の「久保」は充分満足できる内容であった。唯一つ残念であったのはアイスランド産の鮪の味わいが薄っぺらくて醍醐味に達していなかった点であろうか。鮪で鮨屋を選ぶ小生としては一抹の心苦しさを感じてしまった訳である。次回は本当に旨い鮪を頂きたいものだと思う。
06-6456-4566
大江橋駅近くの寿司屋さん
口コミ(1)
寿し久保の店舗情報
店舗基本情報 修正依頼
予約・問い合わせ | 06-6456-4566 |
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住所 | |
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アクセス |
■駅からのアクセス JR東西線 / 北新地駅 徒歩3分(170m) 京阪中之島線 / 大江橋駅 徒歩4分(300m) 大阪メトロ谷町線 / 東梅田駅 徒歩5分(350m) |
座席 修正依頼
カウンター | 有 |
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喫煙 |
分煙
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[?] 喫煙・禁煙情報について |
個室 | 無 |
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利用シーン | 接待、おひとりさまOK、クリスマスディナー、喫煙可 |
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