赤羽の名店。 肉そばを注文! 小ぶりな丼。少なめなスープから縮れた細麺が顔を出している。上にパラリと刻みネギ。バラ肉のチャーシューが4枚整然と並んでいる。 薄めだけど端正な顔立ちで透明感のある美女って感じ。 まずはスープを一口。キリッと塩味、ズシっと煮干し出汁。美味いな。少し塩気が強めだけど、量が少ないこともあってスイっと飲み干せる。 麺はもう20秒早く茹で上げていたら生煮えだと文句を言われてしまいそうなくらいの絶妙な固茹で。独特の歯ざわりが心地いい。 チャーシューは硬くもなく柔らかくもなく、程よい弾力でジューシー。 なんというか、一口目から最後の一口まで終始一貫して美味い。飽きもせず、間延びもせず、帰り道の余韻まで正々堂々と美味い。 たぶんここのラーメンって音楽(録音音源)で言うところのミキシング、ミックスダウンが完璧なんだと思う。 麺、スープ、チャーシュー、その他具材をクセのないオーソドックスなもので揃えればミックスダウンの作業は簡単で、容易に統一感のあるラーメンはできあがるだろうけど、きっと当たり障りのない普通なラーメンになるよね。伊藤のラーメンは個々の要素のエッジが効いていて主張が強い。それでいてしっかりと統一感のある一杯にミックスダウンされ仕上がっているのが素晴らしいのだ。 ちなみに最近ありがちな僕の苦手なラーメン、、 すごくこだわった風なチャーシューが乗っているんだけど、かじらないと食べられないようなサイズで麺とスープと一緒に食べるのに適さなかったり、柔らかくてすごく美味しいのだけど塩分濃度が薄くてスープの塩気との馴染みが悪かったりする店ってよくあるよね。美味いチャーシューを作ることを頑張りすぎていてラーメンに合わせるということをおろそかにしてしまっている感じかな。ラーメンに乗せないでそのまま酒のつまみにしたいなぁっていうチャーシュー多いのよ、、他にも熱々のスープの上に冷蔵庫から出したばかりの美味しいトロトロ半熟味付け煮卵が乗せられているとかね、、個々の要素が優秀でも、それらを適当にミックスしてしまうと残念な感じに仕上がってしまうんだなぁ、、ミックスダウンがうまくいっていないラーメン、、、 ここのはその対局にあるラーメン。
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