カンテサンス、5年3か月ぶりの訪問。 初めて訪れたのは移転前の2013年、斬新なスタイルと驚きの美味しさ、熟練ソムリエの温かいサービスなどなど、多くのきらきらした感動があった。 当初からずっと、大枠は変わらないスタイルを続け、それが個性となり、ミシュラン三ツ星を獲得し続けている。この安定感、もはやモダンフレンチのトラディショナルのようにすら感じられてくる。業界をリードし、新たなスタンダードを確立したかのような。改めて、やはりすごいレストラン。 個人的にはレストランに、いつも新たな発見や感動を求める傾向があり、正直なところ2017年に最後に訪れた時には、もうこのレストランには訪れなくていいかなと思っていた。 でも今回は、そんな嗜好をも超える感動があり、日々変わりゆく食材のコンディションと向き合いながら、自身が良いと信じたものを継続し貫く、貫けることの素晴らしさが、こんな私にも伝わってきた。良い靴や時計を、日々のコンディションと向き合いながら磨き続け、メンテし続け、大事に使い続けるかのような、そんな感覚。 久々に伺って、特にデザートが各段においしくなったと感じた。 また、今まで神の手で昇華された素材のすばらしさに目がいきがちだったが、そしてそれは今回も秀逸だったが、今回はフレンチらしく、ソースのすばらしさも印象的だった。 全体的に味付けは濃いめ。 ソムリエの方は料理に詳しく、そつのない完璧なサービス。超名店のプライドを感じる。温かくフレンドリーな感じとはまた違い、個人的にはホスピタリティにあふれ、皆さまの目がきらきら輝いていた、2013年のカンテサンスが懐かしく、やや寂しい。 最後に岸田シェフが見送ってくださった。最初違う方が出ていらしたのかと思ったほど、別人のような外見になっていた。以前は線の細い印象だったが、今回は貫禄が出て、おしゃれで素敵な方になっていた。すごいものを生み出し続け、高い名声を得続け、いい意味での自信にあふれた姿とオーラ。 おまかせコースとソフトドリンク1杯でお会計、36000円弱。
