さいたま市の「紅毛(あかげ)屋珈琲店」。 ニューシャトル東宮原駅徒歩2分でありながら、「加茂宮自然の森」に囲まれています。 至便性と、閑静さを両立させたような立地です。 自家焙煎のお店で、その味わいを大切にするため全面禁煙です。 日本家屋の風合を持つ建物。 柱、梁、天井裏の木材と、漆喰の白壁が味わい深い。 テーブルや椅子にも、木材が使われ、朴訥な雰囲気があります。 壁面を飾る大きな振り子時計も印象的です。 マスターもまた、朴訥として寡黙な方。 オープンして30年ほどであることを、やっとお訊きできました。 ニューシャトル、正式名称「埼玉新都市交通伊奈線」の開通が、昭和58(1983)年12月。 東北・上越両新幹線の建設に伴い、その高架張出し部分を活用。 大宮と内宿(伊奈町)の間12.7kmに、導入されました。 これが、35年前。 きっと、東宮原駅の利用者を見込んで、このお店をオープンされたのでしょう。 メニューは、色紙に手書きです。 「きりまんぶれんど」430円と、「じゃむとをすと」300円をオーダー。 和風のカップ&ソーサーで、「きりまんぶれんど」が出されます。 酸味と苦味のバランス良く、すっきりと飲みやすい。 「とをすと」の分厚いこと。 片面にバターを塗り、たっぷりの「こけももじゃむ」とともに出てきます。 店内に流れるFMラジオに耳を傾けつつ、これを味わいます。 さて、気になるのは、店名の「紅毛屋」です。 此方は、「紅毛本草」から採られたとのこと。 フランス人ヌール・ショメールの「家庭百科辞書」を、江戸時代に翻訳したもの。 日本最古の珈琲文献と言われています。 コーヒーについて、「古闘比伊(コツヒイ)」「波无(バン)」「保宇(ボウ)」「比由无那阿(ビユンナア)」「比由无古於(ビユンコウ)」「比由爾宇(ビユニウ)」などの訳語が使われているそうです。 このうち、「波无(バン)」については、9世紀頃のアラビア半島における呼び名と思われます。 珈琲豆が「バン」で、その煮汁を「バンカム」と呼んでいました。 秋葉原の「バンカム」(2018/04/18訪問)は、これを店名としています。 蘭学者宇田川榕庵は、「紅毛本草」の訳者のひとり。 宇田川榕庵は、「蘭和対訳辞書」の作成に当たり、更に「骨喜」「哥兮」「架非」、そして「珈琲」という訳語をあてます。 かくして、「珈琲」の漢字標記が誕生したのです。 そう考えていくと、此方のお店が、和の装いで「珈琲」を提供されていることに、なるほどと得心がいきます。
南 たすくさんの行ったお店
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YOU
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さぼうる2
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