【あん肝の旨煮に、ワタリ蟹のおでん仕立て】 すっかり底冷えするようになった。 名は体を表すとはよくいったもので、 師走は、かけずりまわるような忙しさで 折り目切れ目というものを意識させられる。 寒さと疲れでちぢこまった体をあたためようと 扉をあけたのは夜七時、ところは“かしわ屋” 事前にお願いしていた端の席に腰をおろし、 まずは一にも二にも燗酒、温燗を。 お通しの玉こんにゃくをつつき、人肌に温まった 燗酒をキュッと。 胃の奥から温かみが灯火のようにポッポと。 温まると俄然、腹がすいてくる。 品書きをみわたし、アテを頼む。 *あん肝の旨煮 *ワタリ蟹のおでん仕立て *漬ヤリイカ、茗荷あえ 口火をきるのは、あん肝の旨煮。 そえられた山葵をまぶし、海苔にはさみ、間に カイワレを忍ばせ、一口でパクり。 くさみのないあん肝はとろっとした舌触りで、 舌でおしつぶすように味わうと、あん肝のコクが ひろがり、いそぎ燗酒で追いかける。 からだもすっかり温まったころあいに、 ワタリ蟹のおでん仕立て。 蟹の甲羅を器に見立て、ワタリ蟹のほぐし身が たっぷり、まわりはおでんの出汁がぴっしり張られ プカプカ蟹が浮いているかのような風合いだ。 一箸つけ、蟹を口にふくめば、出汁の風味を まとったほぐし身がふわっとほどけ、蟹の滋味が 口中にひろがっていく。 嗚呼、しみじみうまい… これをちびちびつまみ、燗酒を呑むと、酒の味が ふっくら何倍にもふくらみ、味わい深さがます。 濃密な蟹の旨味、どっしりとした燗酒をいただいた あとは、さっぱりとした漬ヤリイカの苗字和えで、 シャキッとした苗字の歯ざわりとほろ苦さ、イカの もっちりとした弾力を愉しみ、今宵はここらで打ち止め。 やっぱり燗酒は寒くなってこそ、真骨頂。 これから、ますます旨さに拍車がかかる時節となり そうなると夕方あたり、かしわ屋恋しの想いが募り いそぎ、暖簾をくぐる運びとなる。 練馬 酒場 温燗 ワタリ蟹のおでん仕立て
Hirotaka Kawasakiさんの行ったお店
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YOU
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肉山
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グリルエフ
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総本家 更科堀井 麻布十番本店
麻布十番駅 / そば(蕎麦)
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キッチンABC 池袋東口店
池袋駅 / 洋食
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鯛塩そば灯花
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餃子の店 おけ以
飯田橋駅 / 餃子
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あげづき
飯田橋駅 / とんかつ
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スタミナ苑
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麺屋 音
北千住駅 / ラーメン
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くぐつ草
吉祥寺駅 / カレー
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