大阪新町の創作中華 空心を訪ねた。二回目の訪問である。 初回もアイデアの多様さに感心したが、今回もますますその思いを強くした。ひとえに大澤シェフの独創力のなせる業であろう。 コースもあるが、今回はアラカルトをたのむ。 まず、前菜の盛り合わせ。前菜といってもこのボリューム。左上の水たこ爽やか花山椒あえ、右上のよだれ鶏は定評ある不動のメニューで。左下はカツオのピータン&おこげソース。右下は千切りにした海月とサーモンに雪菜の佃煮?トッピング。いずれも、食感と素材のハーモニーが素晴らしく、既に前菜だけで満足してしまう。 有頭エビの濃厚チリソース煮込み。ありふれたチリソースではなく、辛さを抑えながらとても濃厚なソースのパンチを味わう逸品。瞬間的にチーズのコクを感じたが、それではなく炒めた玉ねぎがベースになっているらしい。中華の花巻(蒸しパン)につけて食べたら最高だろうなと想像力を掻き立てられる。 特別メニューの金鶏。メニューには金鶏としか書かれてないが、見栄えも食感も北京ダックと同じ調理法のようだ。茨城産と聞いたので龍崗鶏やもしれぬ。外皮のパリパリ感と弾力ある鶏肉の対比の妙がある。 シグネチャーの一つ「叉焼メロンパン濃厚卵黄とトリュフ」。卵黄とトリュフの組み合わせは、食通にはよく知られていて、エロチックな旨味と香りに思わず唾を飲み込むほどだ。メロンパンのあんこにはジューシーな叉焼が鎮座していて、卵黄トリュフとともに食べるハーモニーがなんとも素晴らしい。 〆はメニューで凄く気を引いた「サンマXO醤 蓮の粽 すだち酸辣油」。秋刀魚の粽なんて、考えただけでも生臭さが漂う。ところが、である。生臭さは微塵も感じられず、秋刀魚の脂味が粽の米粒をしっとりとコーティングして美味しいことこの上ないのだ。そして特筆すべきは大根おろしをベースにして酢橘をキリリと効かせた酸辣湯。大澤シェフに「大根おろしは焼き秋刀魚からの発想ですか」と恐る恐る尋ねてみた。シェフは「その通り。これは中華風サンマ定食なんだ」と喝破する。秋刀魚、大根おろし、酢橘とくれば確かにサンマ定食そのものである。まことに、こうしたユニークで愉快な創作力は大澤シェフの真骨頂なのだ。 折からアルザスワイン特集をやっていて、普段は飲む機会の少ないアルザスをいただく絶好の機会である。 大好きなクラシックの指揮者に上岡俊之(新日本フィル音楽監督)がいるが、彼はユニークな指揮を自ら「変態」とのたまう。中華料理界では、大澤シェフこそ天才的な変態料理人だといえるのではないか。
Mukohara Michitakaさんの行ったお店
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とんかつ 銀座梅林 本店
東銀座駅 / とんかつ
- ~2000円
- ~3000円
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鎌倉 松原庵
由比ヶ浜駅 / そば(蕎麦)
- ~2000円
- ~5000円
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尾花
南千住駅 / うなぎ
- ~6000円
- ~6000円
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ポンチ軒
小川町駅 / とんかつ
- ~2000円
- ~3000円
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武蔵野うどん うちたて家
池袋駅 / うどん
- ~1000円
- ~1000円
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とんかつ まさむね
溜池山王駅 / とんかつ
- ~2000円
- ~3000円
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新宿割烹 中嶋
新宿三丁目駅 / 日本料理
- ~1000円
- ~20000円
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手打うどん すみた
赤羽岩淵駅 / うどん
- ~1000円
- ~2000円
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すぱいす
荻窪駅 / カレー
- ~2000円
- ~2000円
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壬生
池袋駅 / そば(蕎麦)
- ~1000円
- ~1000円
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博多天ぷらたかお ジョイナス横浜店
横浜駅 / 天ぷら
- ~2000円
- ~2000円
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中華徳大
荻窪駅 / チャーハン
- ~1000円
- ~2000円
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玉川うどん 豊橋広小路本店
駅前駅 / カレーうどん
- ~1000円
- ~2000円
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宮鍵
国際センター駅 / うなぎ
- ~3000円
- ~4000円
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熟成和牛ステーキ グリルドエイジング…
横浜駅 / ステーキ
- 営業時間外
- ~8000円
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松記鶏飯
新御茶ノ水駅 / シンガポール料理
- ~1000円
- ~4000円
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榑木野 松本駅舎店
松本駅 / そば(蕎麦)
- ~2000円
- ~2000円
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モード ディ ポンテベッキオ
西梅田駅 / イタリア料理
- ~5000円
- ~15000円
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トミィ
錦糸町駅 / 喫茶店
- ~1000円
- 営業時間外
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あわい
自由が丘駅 / 居酒屋
- 営業時間外
- ~5000円