あれは一年前のこと。 最初に出された白子を口に含んだ瞬間 恋に落ちてしまった。 25年余りの東京暮らしで忘れていたものが 鮮明に蘇ったのだ。 冬の握りを食べると、 それは確信へと変わった。 真昆布の出汁、土佐醤油の甘さ。 瀬戸内の白身。 煮切り醤油の旨みとコク。 あぁ、これなのだ。 私が求めていたものは。 思い切って、初対面の親方・大畑雅達さんに、 上記の感想を伝えると、 「うちは江戸前の鮨やけど、 関西のお客さんは、旨みとコクを 求めはるからね。 煮切り醤油やシャリを工夫せなあきません。 例えば、この車海老の煮ツメは、 ボタン海老の殻で作る。 そこまでするのは、うちだけちゃうかな。」 と語り、優しい笑顔を浮かべた。 関西人DNAを刺激する「鮨 おおはた」。 研究熱心な親方の進化が止まらない。 今年の夏に訪問すると、店は全面的に改装され、 極めて質感の高いカウンター席に。 シャリは、赤、ロゼ、白の3種類になり、 タネに合わせて使い分けるようになっていた。 そして、師走には 温度が1度で冷蔵し、タネを熟成できるよう、 特注の冷蔵庫まで設置されていた。 大間の良い鮪を仕入れるルートを確立されたそうで、 熟成の赤味、熟成の中トロ、熟成の大トロの握りを 堪能することができた。 鮪と赤酢が効いた「赤」のシャリとのマリアージュが 実に素晴らしいのだが、東京で食べる鮨よりも 旨みとコクを感じるのだ。 親方曰く 「赤酢のシャリといえば、新橋のしみづさんで、 今年も食べに行ったけど、キリッとした味の印象やね。 あれはあれで美味しいけれど、 うちは、おおはた流で(笑)。」 親方は「しみず」のみならず、 タネの質が高い銀座の「鈴木」も研究されたそうだ。 それは、つまみの一品目の「蛸」の仕事で感じられた。 東京の鮨店が使う佐島の蛸に対抗するために、 明石の蛸に切り目を入れて柔らかさを出し、 コクと旨みを追加していた。 握りは、とにかくタネの良さが際立っていた。 コハダは旨みが抜群、 馬糞雲丹は、溢れんばかりに積み上げられ、 口の中で蕩けた。 車海老は、専用のツメが塗られ、コクに満ちている。 玉子の作り方も変えたそうで、 こちらも濃厚な仕上げに。 「大阪に帰省したら、必ず食べに行きます。」 親方に再訪を誓い、店を出ると 口福の余韻にいつまでも浸ることができた。 関西人DNAを刺激する鮨 北新地 大阪で美味い鮨
Takehiko Nishiさんの行ったお店
-
うなぎ亭 友栄
風祭駅 / うなぎ
- ~8000円
- ~8000円
-
ROAST HORSE ローストホース
/ 馬肉料理
- 営業時間外
- ~8000円
-
ヤキニク ホルモン どうげん
渋谷駅 / 焼肉
- ~5000円
- ~5000円
-
金竜山
白金高輪駅 / 焼肉
- 営業時間外
- ~15000円
-
富松うなぎ屋 黒田本店
大善寺駅 / うなぎ
- ~3000円
- ~3000円
-
蕎麦きり みまき
赤坂見附駅 / そば(蕎麦)
- ~1000円
- ~4000円
-
つけ麺屋 やすべえ 赤坂店
赤坂駅 / つけ麺
- ~1000円
- ~1000円
-
ホルモン屋 だん 新橋総本店
新橋駅 / ホルモン
- 営業時間外
- ~5000円
-
ペスカデリア 銀座店
銀座駅 / 魚介・海鮮料理
- 営業時間外
- ~6000円
-
広東料理 南粤美食
元町・中華街駅 / 広東料理
- ~1000円
- ~2000円
-
東京台湾
中目黒駅 / 台湾料理
- ~2000円
- ~4000円
-
鮨 太一
銀座駅 / 寿司
- ~4000円
- ~20000円
-
タツミ
中目黒駅 / フランス料理
- 営業時間外
- ~10000円
-
アクアマーレ
浦賀駅 / イタリア料理
- ~2000円
- ~5000円
-
デセール・ル・コントワール
等々力駅 / スイーツ
- ~3000円
- ~3000円
-
肉庵 小滝野
白金高輪駅 / 焼肉
- ~2000円
- ~10000円
-
新ばし しみづ
新橋駅 / 寿司
- ~10000円
- ~20000円
-
あじ平
北巽駅 / ふぐ料理
- 営業時間外
- ~6000円
-
鮨 桂太
築地駅 / 寿司
- ~10000円
- ~20000円
-
赤坂ごはん 山ね家
赤坂駅 / 定食
- ~2000円
- 営業時間外