
◆2021.7.16(金) 夕餉
◆ご予約 ぐるなびネット予約にて
◆お料理 夜のお任せ¥17,250
お酒消費税含むお会計¥18,200
数年ぶりの「和ごころ泉」さん、既に伝説となった名店「桜田」を継いで6年が経ち、女将さんは若いままですが、「守破離」の言葉通りに大将の創意工夫に気づきます。
①お迎え
小さいリキュールグラスに入った自家製の梅酒。細かなクラッシュ・アイスも入っているので歯や舌にも涼やかである。(撮影失念)
②先付け
汲み上げ湯葉と雲丹、ミニトマト、新蓮根、オクラに煮凝り酢を掛けたもので、酸味が食欲をそそる。(撮影失念)
③碗もの
冬瓜に夏の鱧、お約束の梅肉が味を引き締める。出汁の濃さと香りに鼻の孔を拡げて目尻を下げる。椀蓋の意匠は祇園祭の鉾である。
④お造り
これまた長刀鉾を模した容器にクラッシュ・アイスを敷いて供される。祇園祭のこの季節にこの店で食事するとTUBEの歌のようにこの容器が必ず出てきて、「ああ、夏だ」と独りごちるのである。そして、数年前に復活した「大船鉾」の容器も隣席に出てきて驚く。伝手をたどって宮大工さんに作って貰ったという。(ソーシャル・ディスタンスをとった隣席なので撮影不可)
明石の目板鰈、大間の鮪の大トロ、長崎の剣先烏賊。
This was the best tuna I have ever eaten.
⑤鱧寿司と粽寿司
粽の笹の葉を開くと中から鯛の刺身がご飯とともにご挨拶してくる。食べやすいように鯛の身の中央に刃を入れてある。はじかみの甘酸っぱさと根生姜の刺激も食欲をそそるのである。
⑥大皿で出てきた八寸
若い胡瓜の中を抜き腐乳を挟んだものは、歯応えのある新鮮な胡瓜にねっとりした腐乳の落差が面白い。
鰻の八幡巻は、里と川のコラボの王道である。なんで鰻と牛蒡があんなに合うのか。調べてみると八幡巻の「八幡」は京都の地名で牛蒡の産地だそうだ。
松葉を通した新銀杏は、若い華やいだ風味を感じた。銀杏(いちょう)の生命力はよく知られているが、それにあやかれた気がする。
鴨のロースト、枝豆、小壺には梅の入った白和え、甘藷、ほおずきの中にはヤマモモのゼリー寄せ、黄色は卵カステラでほんのりと甘い。
鱧のにんぴは甘酢の使い方がほどよく、鷹の爪がアクセントになっている。
※「にんぴ」或いは「にんぴん」「にんぴん漬け」とは素揚げまたは白焼きした小魚をを甘酢に漬けたものをいう。
⑦若鮎の塩焼き
色が濃くて口に含むと素揚げしたようなサクサク感を感じるが、実は数時間掛けて素焼きすることで鮎の脂で揚げたような食感が作られるのだそうである。まずは、強い香りに驚かされるのである。
活魚の形を保って焼いた鮎はあちこちで経験したが、活動感をこれほどに見せる形は初めてである。
蓼おろし酢で頂いた。普通の蓼酢はさらさらとして鮎にまとわりつかないので、大根おろしを加える一工夫がある。当然ながら大根の辛みは抜いてある。抜かりがない。
さらに、飾り塩は使っていない。塩の部分に舌が当たると塩が勝ってしまい、鮎の味が損なわれてしまうので、店主が好まないと説明を受けた。勿論、焼く前の振り塩はするそうである。
なお、皿の上には岩を配し、さらに藻草に見立てた若草を拡げてみせて涼感を増しているのである。しかも、この信楽焼きの皿の両端を意図的に割り、岩の荒々しさを表現しており、なかなかの工夫である。
女将から伺ったこぼれ話をひとつ。この店の前身である「桜田」では炭火を使って、煙
をもうもうと出して焼いていたのだが、当局からのお達しで炭の使用は禁止となったそうである。なるほど、消防自動車が入ることのできない狭い路地の店なので宜なるかなである。今はサラマンダーを使っているのか訊きそびれた。
⑧的矢湾は畦蛸(アダコ)の岩牡蠣
驚きは大きさと柔らかさである。あまりの大きさに二筋の刃を通して供されるが、それでも大きさを感じるのである。食感はことなるが太いうどんのようであり、それだけ食べでがあって、余韻も大きい。
牡蠣殻にアダコ産であるという印のタグが打ち込まれている。直径2センチくらいの円盤の中央に打ち込み用の軸がついているタグの形状は、ちょうどゴルフのボール・マーカーそっくりなので、ゴルフをする客はなんとか牡蠣殻からそれを外して持ち帰ろうと試みて、怪我をすることがある。少なくともおしぼりに血が付いている事例が多い。各自、来店時にはご注意願いたい。私の黄色のタグは簡単に取れたので牡蠣の身の上に載せて撮影した。月末のゴルフコンペに使って自慢したい。