
旬の素材を活かした日本料理と選び抜かれた地酒を楽しめる、ご夫婦で営まれている日本料理店。
江戸川橋駅から徒歩5〜6分、飯田橋駅からは15分ほど。
神田川近くのビル1階にひっそりと佇む。
扉の前には風に揺れる暖簾が掛けられており、店に入る前からどこか気持ちが引き締まる。
店内はカウンターとテーブルを合わせて15席ほど。
清潔感のある和モダンな内装で、静かに料理とお酒を楽しめる落ち着いた空間が広がっている。
グルメ仲間におすすめされて以来ずっと気になっていた店。
ようやく行ける目処がたち、予約して初めての訪問となった。
予約名を伝えると、女将さんがにこやかに迎えてくれる。
料理はおまかせコースのみで、日本酒は相談しながらその場で提案してもらえるスタイル。
────
《おまかせコース 9,900円(税込) 飲み物別》
〇 アサヒスーパードライ 中瓶
まずはビールで喉を潤しながら、ゆっくりと料理が始まるのを待つ。
■ 前菜
・松茸(早松)
・ほうれん草
・お揚げ
・毛ガニ 土佐酢のジュレ
季節を感じる松茸の香りと、繊細な土佐酢ジュレの酸味が毛ガニの旨みを引き立てる。
出だしから丁寧な仕事が感じられる一皿。
〇 黒龍 純米大吟醸 山田錦
ふくよかな香りとキレのある味わいが、前菜の多彩な食材によく合う。
■ 小鉢八寸
・金時草のおひたし
・青森細もずく
・カマスのお鮨
・白ばい貝のうま煮
・かぼちゃコロッケ
・赤キャベツの酢漬け
・秋刀魚の土佐煮
・さつまいものレモン炊き
・京都 赤万願寺とうがらし
目にも楽しい盛り合わせ。
赤万願寺とうがらしは優しい甘さでパプリカのよう。
もずくやおひたしは口をリセットしてくれ、カマスのお鮨や白ばい貝の濃い味を引き立てる。かぼちゃコロッケにはローストされた種の香ばしさがあり、印象的なアクセントになっていた。
〇 田酒 純米吟醸 彗星
清涼感がありながらしっかりとした旨みがあり、魚介との相性が良い。
■ お造り
・コチ
・アジ
・シロイカ
・本マグロ
どれも新鮮で、それぞれの魚の個性が際立つ。特にコチは歯ごたえが良く、脂の乗ったマグロとのコントラストが楽しい。
■ サワラの幽庵焼き
・きんぴらごぼう
・柚子味噌
脂の乗ったサワラに、幽庵地の香ばしさが染み入り、しっとりと焼き上げられている。
柚子味噌が穏やかな甘みと香りを添える。
〇 御前酒 1859 辛口
キレの良さが光る一本。
サワラや造りの余韻をさっぱりと洗い流してくれる。
■ 蓮根まんじゅう
・アオサ餡
・才巻海老
・銀杏
ふわりとした食感の蓮根まんじゅうに、磯の香り豊かなアオサ餡がたっぷりとかかる。
やさしい塩味と深い旨みが広がり、まんじゅうの優しい甘みと絶妙に調和している。
存在感のある才巻海老に、銀杏のほろ苦さが秋の風情を添える。
〇 仙禽 レトロ 壱式 火入れ
柔らかな甘みと酸がバランスよく、蓮根まんじゅうの優しい味わいと調和する。
■ 和牛イチボ・カイノミ
・山椒・生七味
脂の旨みがしっかりと感じられる部位ながら、山椒と生七味が爽やかに引き締めてくれる。
噛むごとに脂の甘みと肉の旨みが広がる。
〇 月山 春陽60 純米吟醸
ややフルーティーな印象。
後口は軽やかで、肉料理の後でも重たくならない。
■ きのこご飯
・発酵バター
きのこの旨みがしっかりと感じられ、発酵バターがまろやかさを加える。
土鍋で炊いたご飯ならではの香ばしさがあり、〆にぴったり。
〇 LIBLOM パインとミント
香りのよいクラフト系のリキュール。
軽やかで口直しにもなる。
■ 甘味
・自家製プリン 和三盆
・ミントとヨーグルトのシャーベット ラム酒
和三盆の上品な甘さが口に広がるプリンは、ほっとする味わい。
シャーベットは後味さっぱりで、ミントとラム酒の香りが爽やかさを添える。
────
どの料理も季節感があり、丁寧な手仕事が感じられる。
日本料理の持つ繊細な味わいと奥行きをじっくりと楽しむことができるコース内容。
日本酒はすべて女将さんが料理に合わせて選んでくれる。
酒単体での完成度も高いが、料理と合わせることで相乗効果が生まれ、それぞれの良さがより際立つ。
ご夫婦の息の合ったもてなしと居心地の良い空間に自然と気持ちも緩み、ついお酒も進んでしまう。
季節が変わるごとにまた訪れたくなるような店。
日本酒好きには特におすすめしたい一軒。
1.6万円/1人