神田小川町の「自家焙煎珈琲ムラタヤ」。
歴史ある自家焙煎珈琲の店。
創業して半世紀以上。
(このビルができる前からのお店です)
店頭シャッターが、いつも降りているので、やっていないように見えます。
ところが、左側に隠れた扉の先が、店舗なのです。
縦に細長い店舗を奥へ進みます。
すると、4人分の座席が並んでいます。
決して広くはない店舗の中は、ツッコミどころ満載です。
店の最奥、客席全部より広そうなスペースに、焙煎機が置かれています。
店の歴史とともにある年代物で、素晴らしい風格です。
脇のスペースに、創業当時のものと思しき二枚の木札。
1枚は、「ムラタヤ珈琲店」。
もう1枚は、「只今テレビ受像中」。
力道山の試合中継等を見るべく、テレビがあるお店に人々が集まった時代。
その良き時代の名残です。
店舗片側を占める棚。
その中央には、初代のお写真。
写真の脇には、「百年の屋号を継いで虹の橋」の句。
初代は、川柳の会を開いておられたそうです。
百年への折り返し点を越え、今は、奥様と娘さんでお店を守っておられます。
その右側には、「珈琲明神」の手造り社。
芸大の先生が彫られたユニークな「珈琲神」像がご本尊です。
更に右側の割り竹には、金額が書かれています。
募金を貯めた竹筒を、年末に割り、「歳末助け合い運動」に出すのだそうです。
割った竹には、1年間に募金していただいた金額が書かれているのです。
初代お写真の左側には、このお店が作り出してきたブレンドの数々。
そのネーミングが素晴らしい。
その由来は、ぜひお店でお尋ねください。
(№と名前を良く見比べると、想像がつきます。)
此方のメニューはホットかアイスの2つのみで、370円。
本日のブレンドは、№21の「明星」です。
21世紀になってから創り出された、すっきりと飲みやすいブレンドです。
娘さんが、わざわざ、焙煎前の豆や、焙煎後の豆数種を見せて下さいました。
豆の種類ごとの、香りの違いが鮮明です。
此方のブレンドは、コロンビアをベースにしたものが多いとのことでした。
娘さんに、初代のことをお尋ねしました。
楽しい方だったそうです。
絶対サラリーマンはできないタイプ。
そして、「この人の娘で良かった」と、しみじみ仰っていました。