イタリアン食堂トラットリアジロ

いたりあんしょくどうとらっとりあじろ

お店情報

092-328-0525

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蝉の声で眠りから覚める。ベッドの片隅から片腕がぶら下がっていた。自分の寝相の悪さとは付き合いが長い。アラームが鳴らない携帯電話を眩しそうに片目で覗いた。「そうか、休みだった」寝ぼけながら髪をかき上げ胡座をかき五分が経つ。時にはスローテンポ。しばし早い息継ぎ。共鳴している蝉の声も聞き慣れた。「夏... 」「か... 」「海を見たい」「糸島だ」でも、ひと気がないところへ行きたい。汗をシャワーで落とす。「少し痩せたかな」体もさっぱり。さあ出発だ。福岡の都市高速上を東の方から百道の方へと進むと荒津大橋がある。ここから見える天神の景色が好きなんだ。まだ見ぬマンハッタンに比べると街は小さく見えるかもしれないでもこのサイズがいいんだ。ここを通る度福岡に住んでいて良かったといつも思う。糸島に近づくに連れ緑が増えてくる。海沿いを走りトラットリアジロが見えてきた。どうやら店の外にあるウッドデッキは改装中らしい。店に入ると意外にコンパクトな造りに驚きつつ「いいじゃないか」とお世辞抜きに思えた。店の奥に大きな窓が見える。その席を選んだ。座る間もなく糸島の根底にある景色に見とれてメニューすら無視していた。パスタランチを頼み水で口を潤しながらずっと海を眺めていた。浜から聞こえる騒がしさの気配は子供らが引く地引網のせいだった。いっぱい牡蠣がとれたのだろう。笑みのキラつきが溢れ私もつられた。「良かったね」そんな一コマを楽しむうち生ハムサラダが現れた。大きな葉が食欲をそそらせる。口にし驚く「野菜の味だ」「健やかな日光を浴び元気に育ったんだね」「子供のように嘘がない」「美味い」終わらせ目の前の壁を棲家とする堂々とした住人に気付き「はっ」とする。私はクスクス笑った。油の香りが立ち込める。パスタシシトウとオクラのペペロンチーノが置かれた。私はまた、クスクス笑った。私の手のひらほどあるシシトウからドリフのコントのような脚本が三通りほど思いついたからだ。「初めて見た」いただくとこれまた美味い。島の野菜は本来の味太陽の味がある。オクラも歯応えがあり美味い。何だか今日はやけに笑っていることに気づいた。「幸せかもしれない」コーヒーを飲みながらただ、ただ、窓の外を眺めている。子供達は用を終えいなくなり漁師が網を整えている。群と数えられるであろうカモメは優雅に飛び、あるいは野性を思わせる目つきで網の魚を狙う。それすら大らかに包み込む海面に写った雲の陸。窓ガラス一面を挟んだ先にある穏やかな同じ休日の世界アドリア海を飛ぶ飛行艇乗りポルコ・ロッソの気持ちが少しわかった気がした。良きイタリアン食堂。

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イタリアン食堂トラットリアジロの店舗情報

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予約・問い合わせ	092-328-0525
ジャンル	イタリア料理
営業時間	[火~金・土・日・祝] 11:30〜15:00 17:30〜22:00 LO21:30
定休日	毎週月曜日
予算	ランチ～2000円ディナー～2000円
クレジットカード	不可

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住所	福岡県糸島市志摩岐志３-３大きな地図をみる
アクセス	■駅からのアクセス JR筑肥線(姪浜～西唐津) ／一貴山駅（6.0km）

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席数	10席
カウンター	無
喫煙	不可 ※健康増進法改正に伴い、喫煙情報が未更新の場合がございます。正しい情報はお店へご確認ください。 [?] 喫煙・禁煙情報について
個室	無

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お店のホームページ	http://trattoria-giro.jp/
Facebook	https://www.facebook.com/tragiro/

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