「きのう何食べた?」とはよしながふみ原作のマンガ作品である。ゲイカップルである2人、几帳面な弁護士 筧史朗と、人当たりの良い美容師 矢吹賢二の2人が2LDKのアパートで暮らす毎日を、食生活メインに展開する物語だ。主人公やその周囲の人々の日常と、食生活を淡々と描いている。ゲイとしての直接描写はないが、彼らの抱える諸事情、社会でのあり方、家族との関係なども扱われていて、なかなか読み応えのある作品だ。 なんということのない話があり、主人公 筧が食事を作り2人の食事シーンで終わる、というのがフォーマットだか。基本的に室内で終始する。しかし、たまに2人で外食という場面もある。かたやひと目を気にしながら、かたや堂々とというコントラストが描かれたりと、様々な趣向が凝らされてもいる。 なぜこんな事を書き連ねたかというと、男2人で、しかも50すぎのおっさん2人で仲良くイタリアンを食べることとなったからである。 なぜ、というといくつか理由があるので記さない。しかし、その様はまるでゲイカップルであったろうと推察され、事後になってから背筋の寒い想いをしている。無論、両名ともLGBTへの差別はなく、そのような傾向もない、というだけのことである。 長くなったが、会食の場は長野駅にほど近い「Trattoria&Pizzeria&BAR LOGIC 長野」である。聞くところによるとチェーン展開されているのだそうだ。到着してまずはこれ 「ビール」626円 プレミアムモルツだそうだ。さっぱりとした口当たりがよい。 「フォカッチャ」 お通し代わりに登場。オリーブオイルと粉チーズがかかっている。しっとりとして美味い。 「本日の鮮魚と彩野菜のカルパッチョ」1382円 日替りカルパッチョということらしい。本日は信州サーモンを用いているそうだ。生野菜美味し。ドレッシングもとてもよい。オレンジを使っているのか、とても爽やかだ。 「もち米のチキンウィングフリット」842円 見た目は唐揚げ風だが、もち米を用いているためかカラッとというより、もっちりボリューミー。マヨネーズまたはオニオンソースがよくあっている。 「カプリチョーザ」1922円 "カプリチョーザ"とは"シェフの気まぐれ"を意味する。と聞いたことがあるのだが本当であろうか。メニューにそのような記載がないので自信がない。モッツァレラ、サラミ、姫トマト、4種のキノコ、オリーブ、ケッパーという多彩ではあるが、淡白な具材ゆえに結構シンプルな味わいとなる。タバスコではなく、唐辛子で辛味をつけたオリーブオイル(ピッカンテ?)でいただく。辛くて美味い。 「南イタリアのライスコロッケ」626円 要するに"おにぎりフライ"である。ふわりと香るのはサフランだ。トマトソースがじつによろしい。 「7種の野菜のフリット」734円 ブロッコリー、パプリカ、ズッキーニなどのフライである。ケッパーをのせたマヨネーズでいただく。今回のもっともお気に入り料理である。夏野菜の季節に食べてみたい一品であった。 「サングリア赤」734円 仕上げはフルーツワインでさっぱりと。底に沈んだグレープフルーツを潰すようにして少しずついただく。甘みと苦味のバランスがよい。 という事でオヤジ2人の会食は終了。とてもご機嫌な夜だった。
