筒井康隆の短編小説で「妻四態」という作品がある。ごく普通の、どこにでもいるような女性だった筈の奥さんの、本当の姿に接して旦那さんが右往左往するという話だ。これだけならそこいらにある家庭小説と変わりはないのだが、そこはそれ筒井康隆が"どこにでもある"ことを描くわけがない。その奥さんのじつは空を飛び、脱皮し、卵を産み落としそして冬眠する。なぜ?という謎ときは何ひとつないが、旦那さんの慌てふためきながらもテンションの上がっていく様が、上方落語調にリズミカルに語られていく。大変な面白さなので、よかったらご一読あれ。 もちろんそんなことは極端だし、あり得ることではないが、物事には様々な側面があるということも間違いではない。ある面ただひとつだけみて判断できるほど単純なことはない。面倒で仕方ないが、そこが面白いということもある。 6月に入ると、すでに春というより夏に近い気候となってきた。日差しは強く厳しく降り注ぎ、むわっとした湿度が感じられるようになってきた。ランチはやはり、涼味を得たい。寒いときには熱いもの、熱いときには冷たいものとあっては、判じ物めいて嫌なのだが、根が単純だから仕方がない。 すっばいもの好きにとって冷やし中華および冷やし中華の季節は堪えられない。猛暑は閉口だが、冷やし中華の美味さに合う季節となれば、これも致し方ないことなのかもしれない。 ひと口に冷やし中華といっても、その店、そのメニューにより様々な形態をみせてくれる。このところハマりこんでいる、木工団地の「えど家」にはなんと3種もの冷やし中華が存在する。これは端から試してみねば気が済まないではないか。 「冷中華」520円 まずはネーミングがよい。"冷やし中華"でも"冷し中華"でもない。"冷中華"なのが泣かせるではないか。とはいえ、これは一般的なデフォルト冷やし中華である。底の浅い桶状の器の中には、いつもの冷やし中華。キュウリ、ナルト、チャーシューに錦糸卵。これらすべてが丁寧に細切りされている。登頂部にはキクラゲ数枚。そして紅ショウガの彩りが美しいばかりだ。すっぱいすっぱいタレは、冷たくしめられた黄色い麺になおのこと涼味を与えてくれる。 なおのことよいのが洋がらしだ。たっぷりと添えられているので、うっかり多く溶かしてしまうと辛くて辛くてたまらないのだが、美味くてたまらない。 冷やし中華第一弾終了。えど家と冷やし中華の旅はまだまだ続く。
Arata Kondoさんの行ったお店
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永井食堂
津久田駅 / もつ鍋
- ~1000円
- ~1000円
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うなぎの宿 住吉
善光寺下駅 / うなぎ
- ~2000円
- ~4000円
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新潟鮮魚問屋 港食堂 ピアBandai
新潟駅 / 魚介・海鮮料理
- ~2000円
- ~2000円
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中央食堂
亀田駅 / 定食
- ~2000円
- ~3000円
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栄食堂
越中宮崎駅 / 魚介・海鮮料理
- ~2000円
- ~2000円
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新潟漁協 新潟支所直売所 地魚工房
新潟駅 / 海鮮丼
- ~1000円
- 営業時間外
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乙妻
本郷駅 / 和食
- ~1000円
- ~2000円
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SORA terrace cafe
湯田中駅 / カフェ
- ~2000円
- ~2000円
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新鶴本店
下諏訪駅 / スイーツ
- ~1000円
- ~1000円
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食事処 志をじ
下島駅 / 定食
- ~2000円
- ~2000円
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とら食堂
村山駅 / 定食
- ~2000円
- ~2000円
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イナリ食堂
飯山駅 / 定食
- ~1000円
- ~1000円
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入善 牡蠣ノ星
西入善駅 / オイスターバー
- ~4000円
- 営業時間外
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四川料理 きりん
長野駅 / 中華料理
- ~1000円
- ~2000円
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すし処 鮨岡
五日町駅 / 寿司
- ~1000円
- ~3000円
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三幸軒 安茂里店
安茂里駅 / ラーメン
- ~1000円
- ~1000円
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中華料理 永楽
今井駅 / 中華料理
- ~1000円
- ~1000円
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グリル ザ ブッチャー
長野駅 / ダイニングバー
- ~2000円
- ~3000円
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地魚食道 瓢
新潟駅 / 魚介・海鮮料理
- ~1000円
- ~2000円
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田りた 麺之助
上今井駅 / うどん
- ~1000円
- ~1000円