なるほどとウナルばかりの寿司屋であった
既成概念を打ち破る鮨で、この店の鮨はなぜこうなのかを尋ねると「なるほどと頷く」事実と理論そして実践の店であった。 寿司酢は2種類(私の経験では時々ある)を使い分け、酢飯の温度と握る固さは片手で余るほど種類があるのだ。当然ながら、鮨ダネの温度も◯◯(伏字)なのである。ネタの切り込みの深さ、間隔、縦横に着るか縦だけにするかもワケがあるのである。 大将が言うには「刺身と酢飯」だけなら海鮮丼と同じで、鮨は違うとのこと。企業秘密なのであまり書けないが、どの季節のどこの海の魚はどういう理由で美味いのかを手に取るように教えて頂けた。もちろん、季節と場所だけでなく、当たりの年もご教示頂いた。ちなみに雨の多い今年は当たりの年だそうである。大量の雨が、山の養分を川へ押し流し、海へ流れ込む。それをプランクトンが食べ、小魚が食べ、と食物連鎖で魚が美味くなるそうである。 ということでリピート確定の店である。 写真#1は、鰆を炙り塩と酢橘だけ。こんなに甘みがはっきり出ている鰆は初めての経験である。 写真#2は、鰺だが、刃を細かく入れヒダヒダの一枚一枚の輪郭がはっきり舌に感じられ、ゾクゾクするほど官能的であった。 写真#3は、中トロだが、某産地のものは脂がのっていて大トロといっても良いくらいであり、目を凝らすと脂(油)が光って見えるのである。 写真#4の茶碗蒸しは、松茸、ツブ貝、北寄貝、UFOというマスカットの一品種を入れ、上にタラバ蟹を載せ、紅はるかのポタージュソースを掛けた贅沢な椀であった。松茸と貝の歯応え歯切れとマスカットの甘さが印象的であった。 写真#5の魚の名前は失念したが、上に八味唐辛子を載せているのが興味深い。因みに八味唐辛子の成分は教えて頂けなかった。ちなみに東京の薬研堀、長野の八幡屋磯五郎、京都の七味家本舗の七味唐辛子の成分や配合比率いずれも異なる。 写真#6は、白身魚の下に大葉を敷き、白胡麻を忍ばせてある。 写真#7は、墨烏賊の子供「新イカ」と呼ぶ。江戸前では夏の終わりから初秋が旬である。ネタが低温で固い食感なのでシャリも低温にして固く握っている。 写真#8は蟹のクリームコロッケである。半分に割って中に山葵を全部入れて食べる。鮨屋でコロッケとは驚きである。修業した「竜介」の持ちネタでもある。 写真#9は、生野菜で、イサキの焼き身をほぐして味噌に合わせたもので食べる。どの野菜も瑞々しく、味噌の塩気と魚の繊維を感じた。漬物ではないところが新鮮であった。 写真#10は、カナダ東海岸(大西洋!)に揚がった鮪の赤身である。写真#18を拡大すると仕入れ先が有名な鮪卸であることが確認できる。鉄分の味が出ない秘訣も教えて頂いたがここには書かない。写真#11は、説明不要のトロ。 写真#12は、火の付いた炭を押し当てて漕がしたトロである。バーナーで炙る場合と炭火押しつけの違いについては企業秘密なので、知りたい方は当店にお越し頂きたい。 写真#13は、函館の蝦夷バフン雲丹の軍艦。実はこの夏に北海道で雲丹尽くしを食べたので、印象は薄い。 写真#14は、玉葱の椀物。写真#15は、柔らかーい穴子。写真#16はトロ鉄火ダブル巻と玉子焼き。
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