安部公房ほど特異な才能は他にない。 どこにでもある、誰もが持ち得る発想を、ごく平易な文章で紡いでいるだけなのに、ある一点をくるりと変えるだけで、どこにもない世界を作り上げる。「砂の女(1962)」などその典型で、"逃げればいいのに"、"今なら出られるぞ"などと思いながら読んでいる者自身が作品に捉われの身となっていく。不可思議・謎・シュールという言葉だけで表現しきれない存在だ。 「箱男(1973)」もすごい作品だ。 ダンボール箱を頭から腰まですっぽりと被り、箱に穿った小さな覗き窓から外を見つめ、都市を彷徨うという物語だ。 箱に開けた穴から覗く自分は相手から見られない。覗かれている対象は、覗かれていることに気づかない。相手から意識されていない時点で、覗いている自分は一人称から無人称の存在となる。他者から見られないことで、匿名性を確保すると同時に、自己が解放される。彼にとってダンボール箱とは、自分が生きるための必要な、いわば生命維持装置といえるのだ。というような事を安部公房自身が解説していたが、理解できたような納得いかないような。 柄にもなく小難しいことを言い出したのは他でもない、箱入りのドーナツを買ってたべただけなのが情けない。 「ミスタードーナツ 長野北ショップ」 今やすっかり国民食、ならぬ"国民スイーツ"と相成ったミスド。かつて、私の高校時代くらいまでは、地味な存在だった。先輩から"プレーンマフィンを軽くチンして、バターをのせて食べる"などという通な食べ方を教わったのは武蔵境駅前店だったか。こちらは自宅に最も近いミスドで、たまに寄っては夕食後のデザートを買って帰るのだ。 「堂島ローナツ」216円 「堂島プリンスローナツ」216円 モンシェールすなわち堂島ロールとのコラボ商品だという。だから"ローナツ"なのか。箱入りの楚々としたこちらは、ドーナツを下地にロールケーキがごろっと乗っているだけのシンプルなもの。あ、これはバタークリームではないか。このまったりさ塩梅がよい。子どもの頃は大嫌いだったが、これほど品がよくなるとは。プレーンよりもココア味の"プリンス"の方が複雑でよろしい。 不可思議・シュールといえば三崎亜記という作家がすごい。とくに「鼓笛隊の襲来(2007)」は読みやすく面白いがわからない、という「箱男」を短くしたような作品だ。よかったらお試しあれ。
Arata Kondoさんの行ったお店
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永井食堂
津久田駅 / もつ鍋
- ~1000円
- ~1000円
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うなぎの宿 住吉
善光寺下駅 / うなぎ
- ~2000円
- ~4000円
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新潟鮮魚問屋 港食堂 ピアBandai
新潟駅 / 魚介・海鮮料理
- ~2000円
- ~2000円
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中央食堂
亀田駅 / 定食
- ~2000円
- ~3000円
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栄食堂
越中宮崎駅 / 魚介・海鮮料理
- ~2000円
- ~2000円
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新潟漁協 新潟支所直売所 地魚工房
新潟駅 / 海鮮丼
- ~1000円
- 営業時間外
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SORA terrace cafe
湯田中駅 / カフェ
- ~2000円
- ~2000円
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乙妻
本郷駅 / 和食
- ~1000円
- ~2000円
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新鶴本店
下諏訪駅 / スイーツ
- ~1000円
- ~1000円
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食事処 志をじ
下島駅 / 定食
- ~2000円
- ~2000円
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とら食堂
村山駅 / 定食
- ~2000円
- ~2000円
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イナリ食堂
飯山駅 / 定食
- ~1000円
- ~1000円
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入善 牡蠣ノ星
西入善駅 / オイスターバー
- ~4000円
- 営業時間外
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四川料理 きりん
長野駅 / 中華料理
- ~1000円
- ~2000円
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すし処 鮨岡
五日町駅 / 寿司
- ~1000円
- ~3000円
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三幸軒 安茂里店
安茂里駅 / ラーメン
- ~1000円
- ~1000円
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中華料理 永楽
今井駅 / 中華料理
- ~1000円
- ~1000円
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グリル ザ ブッチャー
長野駅 / ダイニングバー
- ~2000円
- ~3000円
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地魚食道 瓢
新潟駅 / 魚介・海鮮料理
- ~1000円
- ~2000円
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田りた 麺之助
上今井駅 / うどん
- ~1000円
- ~1000円