広東料理は穏やかな味付けであるので、日本人には受け入れ易い。例えば、牛肉の黒胡椒炒めも黒胡椒の刺激を感じるが、ほどほどのところで抑えてあるし、麻婆豆腐もヒリヒリしない。 尤も麻婆豆腐が広東料理ではなく四川料理であることは百も承知であるが、昨今の中華料理店で麻婆豆腐は四川料理店でなくとも供される定番である。 ご存知のように、麻婆豆腐は料理の鉄人である陳健一氏の父、陳健民氏が広めたメニューで、導入当時は日本と中国との正式な国交はなく、食材の入手も困難な時代であった。例えば、青梗菜、空心菜、香菜(パクチー)などは平成の御代になってから日本へ広まったもので、1970年代の葉物野菜は白菜、キャベツ、レタス、ホウレン草、小松菜、ニラぐらいだった。また、花椒はここ10年ぐらいの最近になって使われ始めたと記憶している。 この店の麻婆豆腐は、本場四川料理とはかなり違う。しかし、日本人の口には会う。鼻の頭や耳の後ろまで汗を浮かべてヒーヒー言いながら食べるのもたまには良いかも知れないが、歓談しながら食するものではない。少なくとも私にはこの店の麻婆豆腐が合う。 話は飛ぶが、カリフォルニア・ロールという巻き寿司がある。米国人が苦手な海苔を外側に巻かず、外側に白ゴマをまぶしてあり、カニカマとかマヨネーズが使われている。あれは、寿司なのか、日本料理なのかという疑問が湧く。まあ、学問として探究するには喧々諤々の議論もよろしいが、上手ければ客はなんでも良いのである。 本場の中国で本当の中華料理(「本当の」の定義はここでは問わない)を味合うと、香辛料のきつさに顔をしかめる場合がある。実は、この店に限らず、横浜中華街の中華料理はかなり日本人に合わせた味付けになっているのである。酢豚にパイナップルが入ったのは歴史的には古いことではなく、シカゴのチャイニーズ・レストランでいかにもアメリカ人が好みそうなヨタ甘い酢豚で閉口した経験があるが、同時に客に受け入れられなければ商売は成り立たないという当然の理屈を実感したのであった。 以下、蛇足。 写真にある小龍包も広東料理ではなく、上海料理である。私は上海豫園の有名店である南翔饅頭店で賞味した経験がある。三階建てで、上の階に行くほど値段が高くなる。もちろんサービスも階ごとに違うが、共産主義の国で明らかな階級制度を実感したのである。 この店は日本にも複数の支店があるようだが、やはり現地に行かないとわからないことがある。 あ、北京ダックも北京料理でした。とすると広東料理はどれなのか。 写真を撮り忘れたが、結構な大きさのフカヒレが出て来た。これは広東料理であった。
Hitoshi Tanakaさんの行ったお店
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Brooklyn Parlor SHINJUKU
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おにやんま
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すごい煮干ラーメン 凪 新宿ゴールデン…
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六厘舎 東京ラーメンストリート
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本家 第一旭 本店
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つけ麺 五ノ神製作所
新宿三丁目駅 / つけ麺
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肉の大山 上野店
上野駅 / 洋食
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Pizzeria e trattoria da ISA
中目黒駅 / イタリア料理
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GURGAON
銀座一丁目駅 / カレー
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- ~4000円
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アンティーカ ピッツェリア ダ ミケー…
恵比寿駅 / ピザ
- ~2000円
- ~4000円
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銀座 佐藤養助
銀座駅 / うどん
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丸鶏 るいすけ
西新宿駅 / 焼き鳥
- 営業時間外
- ~4000円
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鶯谷園
鶯谷駅 / 焼肉
- 営業時間外
- ~6000円
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黒毛和牛バーガー BLACOWS
恵比寿駅 / ハンバーガー
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山東 1号店
元町・中華街駅 / 中華料理
- ~2000円
- ~3000円
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あつた蓬莱軒 本店
熱田神宮伝馬町駅 / うなぎ
- ~4000円
- ~4000円
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ジャッキー ステーキハウス
旭橋駅 / ステーキ
- ~3000円
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青島食堂 秋葉原店
秋葉原駅 / ラーメン
- ~1000円
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カフェ アクイーユ恵比寿
恵比寿駅 / カフェ
- ~2000円
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