ローマの住宅街に、こんなふうなレストランあったなあ、という感の隠れ家・オーベルジーヌ@笹塚。 年末、山本 益博 (Masuhiro Yamamoto)さんの文章を読み、「グルマン」時代以来のワクワクをかき立てられ、強ってお願いしたところ訪問が叶いました。 それだけでもゼイタクなのですが、フランスでいただくのと遜色のないトリュフがメニューに用意されている時期。 シャンパンに落とされたトリュフは、グラスのなかでずーっと芳香を発散させているし、百合根のスープ、帆立の上に乗った厚いトリュフは、香りも歯ごたえもすばらしく、白トリュフなみに腰が抜けます。力あるトリュフは、こんなにも違うものなのか。 お料理の仕立てはかなり突き詰められています。 アツアツのカニのパイに添えられたお野菜はまことにシンプル。うすーい生ハムごとオーブンで外はカリッと中はふっくら焼かれたグジは、ネギの甘味の出たソースと合わさって絶品。塩は生ハムのだけ。鳩にも塩は立てない。ほぼ素材の味わいのみでストイックに勝負するという徹底した引き算の美学でした。 デザート前、巣蜜と合わせた大ぶりのロックフォールチーズは弛みのない美味しさ。ブルー系のチーズは、状態によってはジョセフィーヌふうにしどけなくなりすぎて(謎)苦手なのですが、こちらはベストコンディション。きれいなお味でした。 ゼラチンではなく卵で凝固させたゆずのシブーストもキレのある甘さ。 どれもすばらしいのですが、何と小滝シェフは、お酒、甘味、米(コメ!)がお嫌いなんだとか! これですばらしいお料理とデセールをつくられるなんて…。 帰り道、ご一緒した方が、耳が聴こえなくても名曲をものすベートーベンにたとえてらっしゃったけれど、確かに酒呑みならいい料理をつくれるわけではないですもんね…。 ところでシェフの髪型、まるでジャニーズみたいですね、と言ったところ、からだが酸化してないからね〜、と。驚いたことに白髪染めもしてない65歳! でも私は、コメもスィーツも酒もやめられぬ…。 新年最初のフレンチは、私にとってまさに新しい天体。まだまだ勉強です。
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