
本格的なフランス料理を気取らず楽しめる町のフレンチ。
丁寧な料理と穏やかな空気が流れる、小さな隠れ家。
小田急線「参宮橋」駅から徒歩約5~6分。
初台駅や代々木駅からも徒歩圏内。
お店は静かな住宅街の一角にひっそりと佇む。
ベージュの外壁に木の扉の落ち着いた外観には、どこか惹かれる雰囲気がある。
うっかりすると通り過ぎてしまう。
扉を開けると奥にはキッチンがあり、そこに立つシェフからのご挨拶。
木製のテーブルと椅子、やわらかな照明に温かな空間が広がり、自然と声のトーンも落ち着く。
居心地の良さが際立つ店内。
料理を作るのは、フランスで修業を積んだ木下和彦シェフ。
1996年のオープン以来、代々木に移転し、席数を減らしてカウンター8席+テーブル12席のゆったりとした構成にリニューアル。
某グルメサイトの百名店にも選ばれており、ミシュランでもビブグルマンに選出。
リーズナブルかつ満足度の高い本格フレンチとして評価されている。
この日は予約しておいた、平日限定のランチのコースを堪能する。
《Dejeuner 2,750円(税込)》
・プリフィクスコース
・前菜,メイン(魚または肉),デザート,食後の飲み物
以下のメニューから▶︎のものをチョイス
▪️Hors-d'œvre
・オードブル盛り合わせ
・玉ねぎの冷たいスープとコンソメジュレ
▶︎特製豚肉のパテドカンパーニュ
肉の旨みが濃く塩味もちょうどよい。
脂も重くなく、クラシックながら食べやすい仕上がり。
粗挽きの食感がしっかりと残っていて、口に入れるたびに香辛料の風味と豚肉の甘みが広がる。
付け合わせのピクルスやマスタードとの相性も抜群で、一皿の中に飽きがこない構成。
パンに少しのせて食べれば、旨みの輪郭が際立つ。
▪️Poisson ou Viande
・本日の鮮魚 クミン焼き トマトとバジルのソース
▶︎豚ロース パルメザン風味のカツレツ
サクサクの衣に包まれた豚肉はしっとり。
衣にはパルメザンチーズがしっかり練り込まれ、香ばしい風味がとチーズの芳醇な香りが噛むたびに広がる。
脂身の部分はジューシーで、甘みと旨みが口いっぱいに広がるが、重たさはなくスッと引く。
厚切りながら火入れが絶妙で、ナイフがすっと入るやわらかさ。
付け合わせは、上にふわっと盛られたリーフ野菜のサラダと、脇に控えめに添えられたラタトゥイユ。
サラダは口直しにもぴったり。
ラタトゥイユは野菜の甘みと旨みが凝縮されていて、しっかりと主張してくる。
皿にはソースが筆で描いたように流れるように添えられていて、見た目にも上品。
ソースの酸味とコクが豚肉の旨みを引き締めて、最後までバランスよく楽しめる。
▪️Dessert
・グレープフルーツのカンパリゼリー寄せ パイナップルソルベ
・紅あずまのプリン バニラのアイスクリーム
▶︎クルミ入りフォンダンショコラ ピスタチオのアイスクリーム (+¥300)
ナイフを入れると中から熱々のチョコレートがあふれ出し、口に入れた瞬間に濃厚なカカオの香りが広がる。
クルミの香ばしさと食感が良いアクセントになっていて、単なる甘さにとどまらない奥行きのある味わい。
ピスタチオのアイスはコクがありながらも後味が軽やかで、温かいフォンダンショコラとの対比が心地よい。
+300円の価値は十分にあり、最後まで満足度の高いデザートだった。
▪️Cafes
・コーヒー
・エスプレッソ
・ハーブティー
▶︎紅茶(アイスティー)
平日ランチ限定ではあるが、2,750円のコースでこの内容は破格。
料理の美味しさはもとより、ボリュームもあり、どれを取っても高水準。
シンプルながら素材を生かす調理への拘りと、ワインにも力を注いでおり、常連客からも根強く支持されている模様。
接客も過不足なく、また、押し付けがましさもなく終始リラックスした空気が保たれていた。
少し強面のシェフは挨拶もきっちりしていて、誠実さと人柄が伝わってくる。
破格のコースと素晴らしい料理に大満足。
今度はディナーでも訪れたい。