【町寿司の高み】 かつて、雑誌dancyuのコラム“みんなの町鮨”と いう特集がくまれ、その栄えある第一回目に颯爽と 登場したのが、こちら「菊寿司」 その記事を読み、魅了され、一人で伺い、また人を 連れ、寄せていただきと、通いはじめ、早二年半。 緊急事態宣言中は、店を閉じており、宣言が明け すぐに、電話をかけると、ひさびさに訊く、店主、 村田さんの穏やかな声にホッと一息。週末の夜の 開店時間に予約を入れ、滑りの良い引き戸をカラカラ。 やっぱりこの店は気持ちがいい。 小体な店ですが、掃除はゆきとどき、洗いざらしの ような澄んだ空気に、柔らかい物腰の大将と女将さん。 生ビールで喉をうるおし、口開けは生しらすと 白魚。しらすの滋味に舌鼓をうち、量を少なめに してもらった刺身。これが、また美味いんですが、 何といってもイカ。ねっとりとまとわりつく旨味に もちっとした弾力。このイカを食べていると、嗚呼 菊寿司に帰ってきたという感が深まる。 ここの魚は吟味された素材に、調理の妙もくわわり なんとも言えない綺麗な味がして、嫌な雑味がない。 刺しの後は、穴子を炙ってもらう。 塩、タレの二種で、皮目香ばしく、身はふっくらと した穴子をつつき、いそぎ日本酒をクイッと。 ついで、すすめられたのがいくら。 “今月までしかお出しできないので”という口上も あり、期待に胸を膨らませ一口含むと、プチンと したほどよい弾力に、醤油は濃すぎず、いくらの 持つ塩気と、凝縮された旨味にもう、うっとり。 握りは、小肌や先のいくらを軍艦で、鮪もいやな 筋っぽさや水っぽさがなく、ガス釜で炊くシャリの ほろっとした口溶けに思わず、身をよじってしまう。 そして、トロたくが絶品。香りのよい海苔、パリッと したたくあんに、脂身の甘さのあるトロが渾然一体。 巻物で日本酒をもう一本、のんびり呑み、大将と 四方山話に興じ、今宵はここらで、打ち止めに。 嗚呼、やっぱり菊寿司は最高だ… 町の寿司屋のつっかけ姿で、ぶらっと寄れる気軽さが ありながら、凛とした立ち振る舞い、仕事ぶりに ちょっとだけ背すじものびる。 ここは何を食べても芯が一本通った尊い味がする。 #練馬 #新江古田 #町の寿司屋 #店内撮影禁止
写真と本文をすべて表示練馬、桜台駅付近の寿司屋さん

























