
季節の食材を活かした正統派の日本料理を、落ち着いた空間で手頃にゆっくり味わえる。 出汁の滋味深さと、食材ごとの絶妙な火入れにより素材を際立たせる。 リラックスして本格的な和食を味わえるのも魅力。 店は大森駅から徒歩圏内の落ち着いたエリアに位置する。 外観は控えめで品のある佇まい。 暗がりの中に照らされた白い暖簾が、幻想的な雰囲気を醸し出す。 店内は清潔感があり、木の温もりを感じる落ち着いた雰囲気で、テーブル席とカウンター席が用意されている。 大将はとても穏やかな人柄で、料理にも丁寧な仕事ぶりが表れている。 おまかせのコースは月ごとに内容が変わり、魚介や野菜を中心に組み立てられる。 出汁の味わいを大切にしながら、素材の持ち味を引き出す料理が続く。 ──── 予約困難な中、ありがたくお声がけいただき、8名でテーブル席にて食事をいただく。 おまかせコースの料理に合わせて、お酒を堪能する。 《おまかせコース 8,500円(税込) 飲み物別》 まずはビールで乾杯し、その後の日本酒はシェアしながら食事と共に楽しむ。 ▪️先付 胡麻豆腐の揚出しあんかけ。 表面は香ばしくカリッと、中はもっちりとした食感。 胡麻の濃厚なコクと香りに、やさしい餡がしっかりと絡む。 ▪️椀物 鯛の真蒸と桜のお麩。 ひと口ごとに、澄んだ出汁の旨みが広がる。 ふっくらとした鯛は真蒸とともにほどけるように崩れ、上品な余韻が残る。 ▪️お造り カンパチ、赤貝、本鮪、ヒラメ(えんがわ付き)。 それぞれの食感と脂の違いがはっきりと感じられる。 本鮪は濃厚な旨み、えんがわはとろける脂の甘さが際立つ。 ▪️焚き合せ アワビ,タケノコ,ふき。 驚く程にやわらかく煮含められたアワビは、噛むほどに出汁が滲むように広がる。 筍はやわらかさと歯ごたえが共存し、ふきの清々しく爽やかな香りが後味を引き締める。 ▪️焼物 本鱒のふき味噌田楽。 やさしい甘みのある脂が乗った本鱒に、ふき味噌の香ばしい甘辛さが重なり、味に奥行きを生む。 ▪️揚物 帆立で挟んだ鯛白子の天ぷら。 軽やかな衣を割ると、熱々の白子がとろりと流れ出す。 帆立の甘みと白子の濃厚なコクが重なり、思わず唸る一品。 ▪️蒸物 蛤とウドの茶碗蒸し。 なめらかな口当たりの中に、蛤の濃い旨みがしっかりと溶け込む。 ウドのほろ苦さと歯ごたえが心地よいアクセント。 ▪️強肴 北海道産黒毛牛内もも肉の、すりおろし玉ねぎソース。 しっとりとやわらかな肉質で、噛むほどに旨みが広がる。 甘みのある玉ねぎソースが全体を包み込み、後味は軽やか。 ▪️御飯 しらすご飯。 満腹のため持ち帰りをお願いして、自宅で楽しむ。 出汁の染み込んだ優しい味わいの炊き込みご飯に、しらすの旨みが広がる。 大根おろしが味わいを整え、ぬか漬けがよい箸休めとなる。 ▪️止椀 なめこの赤出汁。 なめこのとろみと赤味噌のコクが合わさり、食事をしっかりと締める椀。 ▪️水物 いちごとヨーグルトのムース。 ふんわりと軽い口当たりで、甘さは控えめ。 酸味とミルク感のバランスがよく、食後をすっきりと整える。 《飲んだもの》 〇 サッポロ生 (中) 650円 〇 伯楽星 純米吟醸 900円 〇 小左衛門 純米 900円 〇 あけぼの 純米 900円 〇 王禄 純米 900円 ※日本酒は1合の値段 ──── 一品ごとの仕立てが丁寧で、食材の持ち味が素直に引き出されている。 派手さに頼らず、日本料理伝統の味わいを安心して楽しめる。 女将の接客も柔らかで終始心地よい時間を過ごせる。 退店時には大将が店先まで見送るなど、細やかな気配りも印象に残る。 落ち着いて和食を楽しみたい場面に適した一軒。 会食にも向いており、季節ごとの変化も楽しめる。 月替わりのコースを、また楽しみに訪れたい。