人形町のちょっと裏辺りに昨年(2023年)10月オープンしたスペイン料理屋さん「コングスト」。早く行きたいと思っていたが、なかなか予定が合わずようやく4月になって訪問。場所は小網神社の近く。少し人通りが少なくなってきたな、、ぐらいの場所の2階(といっても階段を数段上がった場所)。 店内はL字型のカウンターのみで15席弱。入って右側は囲むスタイルで4人席にもできるようになっている。オフホワイトを基調に、木の雰囲気を織り込んでおり、清潔感がある。天高はそこまででもないが、ハイスツールになっているため、少し視点が上がり、全体的に開放感も感じることができる。 ディナーのコースは8,800円(税込み)のみ。ペアリングはないが、いい感じのグラスワインがたくさん揃っているので、おすすめしてもらえるはずだ。という話を横においておいて、最初はビールから。揃えていたのはスペインの瓶ビール(ピルスナー)が2本、缶のセッションIPA、そして熊本産のクラフトビールの合計4本。選んだのはセッションIPA。香りはフルーティだが、呑み口が爽やかな一品。 コースはこのような感じ(特にメニューはありません) ・アミューズ ・ピンチョス盛り合わせ ・前菜 ・スペシャリテ ・魚料理 ・肉料理 ・パエリア ・デザート アミューズとして出てくるのは「マイワシのコカ」。薄焼きのパンの上にギュっとシメたマイワシ、間には燻製バターや松の実が挟まる。マイワシの上にはイタリアンパセリや赤紫蘇など。この一品目のパンチがなかなか。酸味と塩味、そして燻製の香り。目が覚める一品だった。 続いて、ピンチョスの盛り合わせは6品。真ん中はアジ。レモンでシメて、タップナード、オニオン、ディルを加える。姫つぶ貝、豚肉を串で刺したもの、エンパナーダ、手羽先は中にチョリソーを詰めて。パンに乗ったホタルイカは桜のチップでスモークをし、間には鯛が入ったポテトサラダ。どれから食べようかと悩んでしまうのも、ピンチョスの良いところ。 前菜(と勝手にしてしまったが)はカツオ。千葉で取れたカツオをマリネして少し分厚い目に提供。下にはエスカリバーダ、付け合せのソースはロメスコソース。カツオはねっとりとした舌触りだが、味わいはスッキリ。ここに香ばしいロメスコソースを加えると一挙に奥行きが出る。 スペシャリテはピキージョ。スペイン産の赤ピーマンの中に、馬の頬肉とタンを詰めた一品。ソースは同じく馬肉の出汁をベースにしている。アンチョアのピキージョは魚介だったが、馬肉を使うことで良い濃厚さが出る。このソースをパンにつけて食べるのもおすすめ。 魚料理はサクラマス。サクラマスをイベリコ豚のベーコンで巻いてフリット状にしたもの。ソースはシェリー酒をベースに。これは最高だった。食感も味わいも新鮮だし、火入れが完璧。 肉料理は赤牛のシンシン。実は魚料理の前辺りから肉が網に乗っているのは目に入っていた。時間をかけて、炭火との距離を少しずつ変え。途中でぶどうの枝も投入。結果的に出てきた牛肉は火入れが完璧だった。表面は少し歯ごたえがあるぐらいの焼き加減、中はレアに仕上げる。香ばしい匂いが鼻を抜ける。 パエリアは海鮮orイカスミを選べるということで、海鮮を選択。こちらも目の前で仕上がっていくのが楽しい。多くの具材を入れないからこそ、魚の旨味をダイレクトに感じられる。また、付け合せのアイオリソースをちょっとつけるだけで程よいアクセントになるのも良い点だ。 最後にデザートでバスクチーズケーキを頂いてごちそうさま。 バランスが良く、あっさりとしていながら抑揚のある、ストーリー性のあるコースだった。ワンオペというのが信じられないぐらいテキパキと動かれるシェフにちょっと感動。良いお店がオープンしましたね #人形町 #スペイン料理
口コミ(4)
オススメ度:100%
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あけましておめでとうございます㊗️元旦にこちら、コングストさんに訪問させていただきました。普段はコースのようですが、元旦特別営業でアラカルトで好きなものだけトライできる。 白木のカウンターは清潔そのもの、端っこは変則的で向かい合わせの4人席にも対応。 シェフは飯田橋エルプルポに加え、鎌倉の名店アンチョアでの経験がある。 気軽なスタイルにみえて料理は繊細で美味しい。早く友達を連れて再訪したい。 オープンしてまだ3ヶ月足らず、予約が取れなくなってしまいそうだ。
おまかせコース8800円。
人形町と茅場町の中間点辺りに2023年10月7日にオープンしたスパニッシュへ。 プレオープン期間にanchoaの酒井シェフが訪問していた投稿を見て俄然興味が湧いて直近の日曜に予約して訪問。 店内はキッチンを囲むようにL字のカウンターがあり、短辺は客が向い合わせの席なので4名テーブルのようになってますね、そこには某予約困難店のシェフが食事を楽しんでたけど偵察かな(笑) メニューは8,000円コース一本(税サ10%別)で内容は以下。(料理名は適当) ちなみに今後は遅い時間のワインバー使いも計画中とのこと。 ---------- 鰯酢漬け 自家製薫製バター ピンチョス盛合わせ メジマグロ パプリカペースト ピキージョ 馬のテールとタン煮込み 真鯛 アサリと生クリームのシブレット 熊本あか牛ランプ炭火焼 イカのアロスメロッソ バスク風チーズケーキ ---------- 酢漬した鰯はバジルを纏い、パンとの間に自家製の薫製バター。 脂の乗った鰯を鮨酢のような酸味とバジル香で中和、次第にバターのミルクと薫製香が口内に広がり先頭打者ホームラン。 ピンチョス6種盛合せはヒルダ(アンチョビオリーブ青唐辛子)・生ハムコロッケ・鯵とキャビアライム・インパナーダ・手羽先チョリソ・黒バイ貝。 どれもしっかり作り込まれて素朴な旨味があり、酢のしっかりアタックからの青味とアンチョビが広がり余韻の辛味で飲ませるヒルダとチョリソのスパイス感じる手羽先が好印象。 メジマグロは鰯以上の脂の乗りよう、シャキシャキ玉葱に松の実やアーモンドのナッティな風味をパプリカのもったりした味覚が仲介する印象で美味。 ピキージョは衝撃的な仕上がり、中に詰めた馬のテールとタン煮込みが流動食さながらにとろっとろでねっとねとで柔らかい餅のようなテクスチャー、当然ながら旨味も強いし、ピーマン香と黒胡椒を負けないインパクト、馬コンソメのソースもコラーゲン感じる粘度だし食材同士の纏め役も担ってますね、ぜひanchoaで師匠のピキージョも頂かねばと強く誓った。 真鯛はアサリが主張するシャバっとクリームソースに茸の香りが広がる海と山の共演、真鯛自体もしっとり仕上がりで美味。 あか牛はランプの部位を炭火焼き、あか牛らしい赤身肉を噛み締める旨味と藁香を纏ってシンプルに美味、ソースはシェリーヴィネガーでほんのりハニーと華やかな仕上がり。 アロスメロッソはイカスミでダークな見た目ながらイカの旨味を米に移しているし、水分多めのねっとりテクスチャーで旨味が舌に絡み付くし、にんにく爆弾のアリオリが病み付きになる美味さ、お替り可能だったので無くなるまでコールして残さず完食。 〆はバスク風チーズケーキ、外側はビターな焦げ感あって中央部分はとろっと滑らか、ハニーな甘味はマスカルポーネかな?食感と甘苦味覚のコントラストが面白い。 最近は各種メディアの取材も入り始めてるようなので、気になる方は早めの訪問をおすすめします。 #初投稿 #スパニッシュ #人形町 #茅場町