ランチを何にしようか話して、人気のラーメン店にすることにした。 店の名前は「浜鶏 さくらモールとみおか店」。 「さくらモールとみおか店」とあるので、本店が別にあるのかと思ったが、あとで調べてみると、浜鶏としてはここが最初の店舗で、その後、いわき・ら・ら・ミュウにも出店したようだ。 入口には、「浜鶏ものがたり」と書かれた創業の説明板があった。 昭和20年代、戦後復興の真っ只中の浜通りで、一人の少年が自転車で農家を回り、卵を産まなくなったニワトリを譲ってもらい、その鶏ガラでラーメンを作ったという。 富岡町のお祭り「えびす講市」に出店すると行列ができ、それが「とりふじ」の始まりだった。 そして約70年後、創業の原点である「鶏」と「浜通り」に再び思いを馳せて、ラーメン店「浜鶏」を開業したという。 昔の富岡町の写真も飾られていて、単なるラーメン店ではなく、土地の歴史とつながっている店なのだと分かった。 注文は、食券機で先に食券を買って、カウンターの中の人に渡す仕組み。 この日の限定「今週の麺」は、浜鶏ブラックだった。 私はそのブラックにして、Yさんは浜鶏ラーメン+ライス。 自転車のジャージ姿だったので、店にいた年配の女性から、 「何かイベントがあるんですか?」 と声を掛けられた。 Yさんの浜鶏ラーメンのスープも少し飲ませてもらったが、こちらはかなりあっさりした味。 一方、私が頼んだ浜鶏ブラックは醤油味で、見た目ほど濃くはない。 でも、しっかりコクがあって美味しかった。 麺はストレート麺だったが、スープによく絡んでいた。 結局、スープは全部飲んでしまった。 この店も、ただ新しくできた店というより、富岡の昔と今をつないでいる場所の一つなのだと思う。
写真と本文をすべて表示優しい鶏出汁と低温調理チャーシューが光る、心温まる一杯




















