
電話予約時に注文内容を聞かれる。後日特上、鰻短串塩と肝焼きを注文した。肝焼きは確保できないこともあるとのことだったが無事食すことができた。 暖簾をくぐれば、天保より続く職人の気概が炭の香りと共に押し寄せる。 まずは鰻短串塩、素焼きで皮目を徹底的に焼き切る技により、歯に障る感覚は皆無。純粋な脂の甘みが、塩によって鮮烈に際立つ。続く肝焼きは、炭火の熱を凝縮したような香ばしさと、奥深い苦味、旨味でビールがすすむ。お通しの葉唐辛子も良いつまみ。 真打ちの特上は、まさに江戸前の真髄。蒸しの工程を経て、箸が重みだけで沈むほど柔らかな身は、口中で淡雪のごとく消える。幾万枚もの鰻をくぐらせた秘伝のタレが、飴色の輝きの中に重厚な歴史を纏わせ、職人の団扇さばきが引き出した香味が鼻を抜ける。 伝統という名の「誠実な仕事」を五感で噛み締める、江戸の粋を五感で浴びる贅沢な週末となりました。 #75