
馬喰町にあるDDD HOTELのメインダイニング。
こちらはnolとしてミシュラン東京に2022年から掲載されていたが、2024年4月から鎌倉でタカシタンノのシェフをされていた丹野氏を招聘してSAGAMIとしてリニューアルオープン。
メニューはおまかせコース一本でペアリング有無を選択可能、今回は有でオーダー。
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新緑
桜
赤土
剣先
相模湾
循環
黒文字と塩
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アミューズはウフマヨ・メバル・新玉葱のヴルーテ、前者は鶉の玉子を使用して仄かな酸味で軽いマヨ感、プティポワで新緑な苦味あり。
メバルはしっとり身質にブリオッシュでサクサクと軽さを追加、酢だまりの酸味にハーブの香り。
ヴルーテは干物のジュレが個性的、想像より干物の主張は控えめで新玉葱の甘味が際立つ。
冷菜は北寄貝やワカメを胡瓜でカネロニ仕立、葉山葵のエスプーマには柚子の香りを乗せて。
北寄貝の弾力と胡瓜のシャキシャキで食感のコントラストかつ胡瓜の青味がソーヴィニヨンブランとの繋ぎ役、柚子香でさっぱりと頂ける和な印象の一品。
続いては桜鯛と炭火で焼いた筍を鯛出汁でナージュ、筍の焦げ香がアクセントで鯛はしっとりレアな身質だが、スープで次第にレア感薄れるのはシェフが意図した変化なのか?
ビーツはカカオのパイで包み焼き、ビーツの土っぽい甘味とカカオの風味が見事に調和、フランボワーズソースの目の覚めるような円やかな酸味で土っぽさから華やかな印象に昇華。
剣先イカのソテーにセロリを纏ったポムピュレ、シンプルにソテーして烏賊の旨味を凝縮、塩気もキマッてスパイスで香りも追加、下足の部分はレアで火入れの違いによる食感と味覚の対比も楽しめるし、山形正宗の芳醇な旨味ともドンピシャ。
前皿までは食材の構成を堪能する複雑で軽い料理が続いたが、ここからは旨味の強い料理にシフトチェンジ。
甘鯛は炭火で鱗焼き、トマトとフェンネルのソースと下に敷いた茄子で南仏仕立。
鱗はパリパリだが身はほろりとレアでコラーゲン豊富なねちっとテクスチャー。
ソースはキャラメルのようなねっとり濃度でトマトの酸味穏やかながら糖度高く酸味穏やかなフランボワーズのよう。
ホロホロ鶏は1羽まるごと焼いて客4人でシェア。
左手の胸肉はジュのソースが実に濃厚、右手の股肉は卵黄コンフィでもったりと、牛蒡で土感も追加、ソース用のブルーチーズのパンが卵黄ソースとドンピシャ、かつてSaucerで頂いた鶉を思い出す。
デセールは自家製の塩バニラアイスにクロモジのジュレとブラッドオレンジのソース、オリーブオイルの華やかな香りとブラッドオレンジの酸味が印象的。
ペアリングは客家族の家内生産による黄酒、紹興酒特有の癖は無く甘味と生姜感が強め、ミルクなアイスとの相性が抜群過ぎてアイスと黄酒を交互に口に含みながら何度も頷いてた。
プティフールはフィナンシェとパイ生地に苺、ジャスミンベースのハーブティーと共に。
剣先イカまでは箸で頂き、ペアリングも日本酒多めでフレンチを食べてる高揚感に乏しいけど、料理自体は14,000円とは思えないクオリティで満足度高い。
4月中はポップアップで5月以降はnolの野田シェフとタッグを組んで営業するらしく、グランドオープン後も楽しみです!
#初投稿 #フレンチ #イノベーティブ #馬喰町