この日はお祝い事の集まりがあり、こちらに伺いました。カルティエが入っているビルの4階になります。エレベーターで上がると、スタッフの方々が並んでお出迎え、そういえば名前を名乗る前に部屋に案内されました。最初から流石としか言いようがないサービスです(^ ^) 本来なら写真をバチバチ撮るシチュエーションではないのですが、今はSNS時代ということで料理の撮影は無礼講でいきましょう‼︎となり、ここに紹介できることになりました。 献立の内容は以下となります。 ・膳菜 お祝い八寸 ・お椀 冬瓜丸吸 ・造り 三重盛り合わせ ・箸休め 赤飯 ・焼物 鱧梅紫蘇巻焼 ・焚合 季節の野菜の焚き合わせ ・御飯 鮎いい蒸し 赤出汁 ・果物 季節のデザート 前菜ならぬ膳菜、このお品書きにもこだわりを感じます。酢の物、一口サイズの料理盛り合わせ、無花果とクリームチーズが松が添えられた鶴、亀の皿と金塗りの小皿で供されました。酢の物は大変上品な味でポン酢がジュレ状になっているのも手がかかっています。そして特に珍しい料理が鱧の卵と枝豆の和物、山桃です。鱧の白子を蒸すというのは初めていただきました。小さな卵は特に味に変化はなさそうですが、プチプチとした食感を演出していました。山桃も初めていただくもの、大変ジューシーで箸で持つと果汁が滴り落ちるので、お召し物にお気をつけくださいという案内もありました。盛り合わせの全ての料理がハイレベルかつ上品な味付けで、素晴らしいスタートでした。 お椀は冬瓜とスッポンのお吸い物、スッポンは処理がしっかりとされており、滋味深い出汁も最高です。お造りは大トロ、タイ、ウニの三種盛り合わせ、特にウニの鮮度が良くて、お箸でスッとつまめるくらい粒がたったウニでした。箸休めは赤飯、いい塩梅というのはこういうことなのか?と思わせる塩の使い方に感動です。 焼き物は鱧を紫蘇と共にロールにして塩焼きにした大変手間のかかる一品です。ホクッと崩れる鱧の身はカリカリの焦げ目としっとりした身が絶妙な味と食感をもたらし紫蘇のさっぱり感で夏らしい一品、さりげなさを纏って供されますが、これは素晴らしい鱧に出会えました。焚き合わせは野菜の味が濃く、出汁と相まって旨みたっぷりでした。そこに湯葉がその出汁を吸っていて、優しい大豆の風味が加わりさらに複雑なテイストに進化、小さな料理ですが、大地の恵みを実にうまく引き出して大変食べ応えのある一品となったのには驚きました。 食事は鮎の炊き込みご飯、大きな焼き鮎が載った大変豪華な炊き込みご飯です。ほんの微かな鮎の苦味で芳醇なテイストの中に一点パンチが入ったような感じで、これも大変美味しい‼︎ 赤出汁のアオサの味噌汁の素朴さも炊き込みご飯のよいパートナーとなっていました。 季節の果物はメロンのスープ仕立て、トロトロの杏仁豆腐の上にメロンの果肉と共にスープ仕立てになった果汁がたっぷり注がれ、ビジュアル、季節感、味と満点のデザートになりました。 素晴らしい料理とハイレベルなおもてなしで、お祝いの席も滞りなく終えることができました。このような席を設けられる力量はさすがに日本を代表する料亭ならではと痛感しました。歴史の重みの中、世界の変化に追従しながらも伝統を守る、こちらはそんな重積を担っているのではないでしょうか? 女将はじめスタッフ、板場の方々に感謝です。
駅から近い
禁煙
クレカ決済可
ランチ営業あり


























