雑居ビルの2階。店内はカウンターと、テーブルが2〜3卓ほどのこじんまりとした空間。 客は誰もおらず、年かさの女将が1人で仕込みをしていた。 「すいません、やってますか」と聞くと「どうぞ!」と明るい返事。 偏屈ババアの店じゃなくてよかった! まずは酎ハイで喉をうるおします。こちらの酎ハイは、エキスの入ったものではなく、ただのシンプルな焼酎のソーダ割り(レモンスライス入り)。いわゆる下町ハイボール的なものを頼みたい場合は「あわのすハイボール」を頼むべしだそう(でも女将さんいわく「甘いわよ」というのでやめました)。 続いて壁にかけられた手書きのメニューを吟味。女将1人の割には、刺身も串物も種類豊富です。 迷いましたが、今が旬の「花わさび煮びたし」と、女将自ら酢締めする「しめ鯖」を注文。 GWが明けたばかりのせいか、なかなか次の客が来ません。おかげで、女将にゆっくりと店のなりたちを聞くことができました。 創業は50年ほど前。店名はこの辺りの旧地名で、昔の地名を残したかったのだそう。 ビルを建てて2階に店を構えたのは25年ほど前のこと。 ご主人とはお互い再婚同士だそう。 「主人の前の奥さんが私の親友でね。先に病気で亡くなったんだけど、間際に“旦那をよろしく”だなんて……そんなこと言われたらほっとけないでしょ」 そういう夫婦もあるんだなぁ。 そのご主人も今は亡く、直後は店をたたもうとも考えたが「常連さんもいるから」と、女将1人で切り盛りして今にいたるとか。 やがて仕事帰りの常連客が集まり出してきました。 女将と客の“Aさんがどうした、Bさんは元気だ“といった気の置けない会話を聞きながら、亡きご主人が大好きだったという越後の地酒・妙高山のヒヤをコップで飲る……。 ご主人も草葉の陰から見守っていることでしょう。 妙高山は、昔ながらの日本酒らしい辛口で、ツンと辛みの効いた花わさびのおひたしにピッタリでした。
写真と本文をすべて表示葛飾区にある青砥駅からすぐの居酒屋







