【問答無用!の大阪で人気のうどん店巡り㊗️100投稿】幕末の時代から続く大阪最古のうどん店はさすがと言わしめる名店。
《創業元治元年(1864年)の156年続くうどんの老舗》
うどん店としては、大阪最古と伝えられている『吾妻(あづま)』は、阪急宝塚線「池田」駅から徒歩8分ほど。この一帯はかつて交通や交易の要所として栄えたらしく、創業した1864年は、あの新撰組の「池田屋事件」「禁門の変」「四国連合艦隊下関砲撃事件」などがあった江戸時代末期の幕末。以来156年間、歴史を刻みながら地元のうどん好きに愛されまた、大阪のうどん文化を脈々と伝える老舗の名店として愛され続けています。
それを物語るように、お店の看板は創業時のまま掲示。店内にはかつて店先に飾ったお品書きの行灯が飾ってあって、帳場や小上がりの座敷、使い込まれたテーブル、椅子、照明などその年季の入った佇まいは、いにしえの時代を偲ばせてくれます。
現在の店舗は、これまで大きな改装(国道拡張など)を2回しつつ、内装はできるだけ往時そのままの状態で保存されているので、今回初訪問ながらその歴史の片鱗を垣間見れました。
《文豪 谷崎潤一郎の未亡人の松子が認めた「ささめうどん」》
現在は、六代目当主の巽正博氏が受け継がれてきた味を提供されていますが、お店で有名な細麺の「ささめうどん」は、五代目の氏の父が考案。これを文豪 谷崎潤一郎の未亡人の松子さんがお店に度々訪れた際、その味わいを絶賛。有名な小説「細雪(ささめゆき)」 にちなんで「ささめうどん」と命名されたそうです。以来、普通の麺を使用した「吾妻うどん」とともにお店の二大名物として知られるようになりました。
《六代目の技ありのだし》
大阪は江戸時代に「天下の台所」として全国から昆布や鰹節などの食材を集め、独自の「だし文化」を発展。名物のうどんもだしの味を楽しみながら食べる麺類として広まりました。
最近は、人気の讃岐うどんに押されがちなものの、このお店の老舗の味はしっかりと受け継がれていて、六代目も独自の製法で毎日だしを作っています。
そのだしは、朝6時、前夜に水を張り道南産の昆布を入れておいた釜に火をつけ、鰹、鯖、うるめ鰯などの削り節を入れ、薄口しょうゆと砂糖などで味を調え、5〜6人分のだしを一升瓶(1.8リットル)入りのとっくりに詰めます。瓶詰めにしているため、香りが抜けにくく、注文があるたびに一人分ずつ分けていくので、煮詰まることなくいつでも柔らかい味を提供できるそうです。
《オススメニュー》(税込)
・ささめ天ざる:1,200円
・かやくごはん(小):300円
お店の二大名物のひとつ「ささめうどん」の天ざるを注文。えび天2尾、イモ天2個、海苔天1枚、うずら卵が、歴史を感じる凹みのある長方形のお盆に載せて運ばれています。これは今風でいうところの「ワンプレート」で実に機能的です。
ささめうどんの麺の太さはにゅうめんに近く、かなり細めです。45年前より、試行錯誤の上、ゆでる時間と食べやすさでこの細さとなったそうで、コシもあって箸で持ち上げるとそれなりに重さがあってモチモチとそしてツルッとした食感が特徴で、子どもからお年寄りの方まで万人がいただけるうどんであることが分かります。さらに言えば、うずら卵の鰹出汁の効いためんつゆに浸して食べると間断なく飽きの来ない麺としていただけるのです。
天ぷらは、少し衣が堅めに揚げてあって、今風のサクッとした天ぷらではなくしっとりとした味わい。あくまでもメインがうどんなので箸休めには最適な一品です。
そして外せないのが「かやくごはん」。自慢のだしで、にんじん、ごぼう、鶏肉、油揚げ、しめじを炊き上げた炊き込みごはんで、お米の粒がしっかり立ってほんのりと鰹と昆布の風味が漂う薄味そしてあっさり仕立て。お漬物の味も引き立ちます。
《追記》
老舗店ながら、かけうどん・そばも500円からと「舌代」と銘打った献立は種類も豊富。一番高い「天ざるそば」も1,200円とお手頃とあって子ども連れの家族もいらっしゃっていました。
「親子で食べに来た子どもが、味が変わらないとその子どもを連れてまた来てくれる」。巽店主は店が長く続く理由をこう語っているようにさすがと言わしめる大阪最古のうどんの名店でした。
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