
出町柳ふたばの最初の暖簾分けで、家系ラーメンでいうと本家吉村家に対する六角家にあたる。
★始業は9時だが、豆餅の提供は9時半からである。★
堀川七条の交差点で信号を待っていると、西本願寺から鐘の音が聞こえてきた。余韻が長い音である。腕時計を見ると、ちょうど9時である。9時は七条双葉の開店時刻である。
交差点から指呼の距離の店に入り、豆餅を所望すると出来上がりは九時半になるという。仕方ないので店の腰掛けを借りて七条通の往来を眺める。待っている間に客は三組も来ていずれも豆餅を求めてやってきている。
お店の方に伺うと出町柳ふたばの暖簾分けは、ここと伏見稲荷の店以外にもたくさんあって把握できないという。まあ、家系ラーメンも同じである。
待っているうちに、スペインはマドリッドからの青年3人組が来た。ビジュアルが良いからか、3色団子を買おうとしているので、あと数分待てばここの名物が買えると強く、豆餅を押した。すると彼は「You are a good salesman.」と言いながら数分間、私と待って豆餅を買ったのである。
出来立ての豆餅はマシュマロのようなふわふわの食感で、水分が抜けていないので、数センチほど餅が伸びる。どうりで紙に包んでくれたわけだ。豆の塩気と餡子の甘みは抗えない組み合わせである。