食券販売機のある吉野家 吉野家の店舗としては、他店にない特徴をもつ吉野家。 国道467号藤沢町田線沿い、六会日大前駅入口近くの大箱パチンコ店の隣にある。 路面店の吉野家の場合、通常は鉄柱の上に大きなオレンジの看板が設置されていることが多いが、隣りのパチンコ店の看板を隠すのを嫌ったかのように控えめだ。そのせいか、近づくまで気づかず、そのままスルーしてしまいそうになる。 店舗自体も変わっていて、タイヤこそついていないものの、どうみてもトレーラーハウスの仮設店舗といった風情で、屋根の上になんとかオレンジの看板をしょっている。入口の引き戸はもちろん手動。 店内に入ると、細くて長い店舗ゆえ、完全なオープンキッチンの横一列のカウンター席。 空いている席につこうとすると、「すみません。食券をお求めください。」の催促。 そう、ここは吉野家にしては珍しい食券制のお店なのだ。 牛丼御三家では、松屋が全面的に食券販売機を導入しているものの、吉野家とすき家は口頭注文が原則。 吉野家が食券制を導入しない理由としては、「接客も大事な商品の1つ」と考えているからで、自動販売機による食券販売だと食べ終わったお客さんがそのまま店を出るということが多くなり、お客さんとのコミュニケーションが少なくなってしまう。そこで、あえて券売機を置かないことで会計の際、お客さんと接することができるようにしているのだそうだ。 こうしたポリシーを持つ吉野家も、2011年くらいから特定の店舗では実験的に食券販売機を導入している。都内でも何店舗か食券制の店舗があると聞くが、いまだにお目にかかったことがなかった。神奈川県内にどのくらい食券制の店舗があるのか知らないが、いずれにしても珍しい店舗である。 食券販売機は液晶モニター画面の大きいタッチパネル式。東京チカラめしなどでお目にかかったタイプだ。 先に書いたとおり、一直線のカウンター席メインなのだが、食券販売機の横のスペースがムダにならないよう、申し訳程度に2人掛けのテーブルが置いてあり、イスは3脚あった。箸やテーブルスパイス、水なども置かれているが、これはここで食事するというより、テイクアウトの客が待つために使われているのが実情だろうと思う。 通常の店舗では、キッチンは奥にあって客の目からはいちおう隔離されていることが多い。 その点、横に長く奥行がない店舗ゆえにどうしてもキッチンも横長となり、ふだんはあまり目にすることがない吉野家の調理現場を見ることになる。これもなんとなく松屋に近いか。 牛丼オンリーの時代には、出来上がった牛丼の具・つゆを丼によそうだけだったのに、今では調理するものが増えたので、IHヒーター2台の上のフライパンが大活躍。 カウンター席が立て込んできたところに、やや多めのテイクアウト注文が重なり、店員のおばちゃんふたりの実力が試されるシーンも目撃することができた。
口コミ(1)
オススメ度:46%