
【2025年4月訪問】
平井にある1993年創業の老舗フレンチへ。
クラシックなBGMが控えめに流れる店内にはスーツのギャルソンがおり、ソファー席にテーブルクロスを敷いたテーブルが今となっては懐かしく感じます。
コースが幾つかある中、今回はメインが猪のコースをチョイス。
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北海道産桜鱒の薫製とキャビアのクレープパルマンティエ
九十九里浜産ハマグリの冷製白ワイン蒸し フレッシュチーズとビーツのムース パパイヤ添え
うずらのロースト レバー風味サラダ仕立て くるみ油風味
北海道産帆立貝とポロ葱のラヴィオリ ブールブランソース
シェフお勧め鮮魚 本日のスタイル
長崎平戸産イノシシのロースト 黒サクランボのソース ニョッキと玉葱の黒ビール煮入りタルト添え
昔風カスタードプリン ヴァニラアイスクリーム添え
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アミューズはブリニにキャビアと王道の組み合わせ、レモン香からの次第に薫香が広がりキャビアの上品な塩味とサワークリームの酸味が追加して鱒の風味でフィニッシュ、もう2,3個食べたくなるが、まだ1品目なので我慢。
蛤は咀嚼で旨味と軽い白ワインの酸が広がり、パパイヤのトロピカルな酸味が仲介役。
奥のムースはフレッシュなチーズの酸味とビーツの甘味にバジル香が南仏な印象を追加。
続く料理は鶏肉を用いているもののサラダ仕立なのでヴィネガーな酸味香が印象的、トリュフと胡桃の香りの主張もしっかり。
うずらはしっとり身質でクルトンのガリっとした食感がアクセント。
オードブルなので鶏肉料理ながら食後感は軽め。
ラビオリのソースはグラタンのような粘度でフルーティーな白ワインやヴィネガーの酸味アタックからのバターがぶわっと広がり、トリュフの艶かしい自然な香りが鼻にぬけて悶絶、このソースが頂けただけでも当店に来た甲斐があったと言える抜群のクオリティ。
人気メニューなのも納得、フレンチ好きは一度は食べるべし。
ポワソンはメバルを使用、バリグール風はアーティーチョークが定番だが当店では筍と山菜で仕立てる。
フュメ・ド・ポワソンにバターやトマトを効かせて南仏な印象、別皿提供のパクチーが山菜とソースのバター香とピッタリで新たな組み合わせを堪能。
ヴィアンドはコバヤシの代名詞と言えるジビエから長崎県平戸の猪、獣香は無く身は赤身な咀嚼による旨味を、脂身はサクッと食感で甘味を存分に楽しめるし、甘味優勢なサクランボのソースも肉に合う。
ガルニチュールも隙無くフレンチの仕事が凝縮、手前のタルトは玉葱の加熱による甘味旨味が凝縮して黒ビールの軽い苦味が映えるし、奥の舞茸グラタンはキメ細やかなグラタンに負けない舞茸の旨味。
デセールは選択式だったのでプリンをチョイス、木綿豆腐みたいなテクスチャーにカラメルの苦味で古式ゆかしく甘味はアイスが担当。
小菓子は3種類でカヌレはもっちりしっとり黒糖っぽい風味、生チョコレートはメルティで中に柑橘系のピール、わらび餅は日向夏みたいな軽い柑橘酸味。
創業30年以上の老舗なので歴史を感じさせる重めなフレンチかと思いきや、軽重あるコースの流れにクラシックを活かしたオリジナリティも見えてベテランシェフなのに古くささゼロ、オーナー社長が生き残るにはたゆまぬ進歩が必要と勉強になりました。
次回はフランスの鶏ジビエの時期にリピります!
#フレンチ #ジビエ #平井