地元民で賑わう喫茶店 東武東上線 中板橋駅。まるで前世の記憶に導かれたかのように、私はこの駅で電車を降りた。そういえば、駅から出て見るこの街並みや風景も、どこか高翔なソウルを感じるような気がする。自分は交差点で立ち止まり、周囲をゆっくりと見渡した。自動車と人々の雑踏が立ち込めるここ中板橋で自分はふと腹が減っているんだと言う事実に遅まきながら気が付いてしまったのだ。「腹が減ったな」思わず口に出すと、脳からの信号が全身に伝わったのか、余計に腹が減り始めた。いよいよ我慢できなくなった胃袋を満たすため、私は中板橋の雑踏に繰り出した。「ぐらんま」それが空腹を満たすため立ち寄った今回の店だ。今回は、ふと気になってしまった朝食セットを迷わず注文する。店内は程々に混雑しており、流行っている店のようである。朝食セットは、想像していたよりもずっと味がよく、調理人の腕前はなかなかだと推察できた。個人的にはもっと量が多くても良いと思ったが、普通の人ならちょうどいい量ではある。空腹という事を抜きにしても、朝食セットはとても満足の行くものであった。イチオシメニューなのも頷ける話だ。ぐらんまか、なるほど･･･なかなかいい店であった。この日の出会いが魂の導きによるものならば、また近いうちに寄ることもあるだろう。そう思いながら、私は再び街の雑踏へと繰り出したのだった。
「墨汁の雨に打たれたメニューなし喫茶店」と言われる、常連に愛される名店
