
オーナーが変わって3年になるという。旧名は「ロリマー京都」。ニューヨーク発の和食店が京都にやってきたのだそうだ。そのためか、外国人客の姿が目立つ。一言で言えば「外国人向けのおばんざいの店」であり、伝統的な京のおかずを期待して行く場所ではない。もっとも、伝統とは本来、時代とともに移りゆくものなのだろう。私は下から2番目のメニューである、2,310円の一汁五菜を注文した。 写真#1。甘塩の焼き鯖にミントの葉が添えられているのは、意外にもよく合っていて宜しい。レモンスライスは好みの分かれるところだろう。甘酢仕立てのキャベツや赤蕪(あかかぶ)は、京都の伝統とは一線を画すが、外国人受けは良さそうだ。 お味噌汁は具沢山なのは良いが、前日に作ったものなのか、味噌の香りが飛んでしまっており、菜葉も少しクタッとしている。しかし、外国人客はもちろん、大半の日本人もそこまでは気が付かないのかもしれない。 一方で、出汁を取ったあとの昆布と鰹節を醤油、砂糖、みりんで味付けした佃煮――京都弁で言うところの「おきちょ」がご飯の上に載っており、この部分にだけは、まことに京都らしい風情が残っている。 ただ、一緒に供される飲み物が水だけで、お茶が出てこないのはやはり寂しい。欲を言えば、京都らしく煎り番茶あたりを出してくれれば嬉しいのだが。