もともとテレビは観ない方だった。小学生の頃、まわりの友人と話が合わなくてもさして気にならない程度だったから、われながら筋金入りだと思う。あ、おれが変わり者だっただけか。独身ひとり暮らしの時代も、ニュースをみるか目覚まし時計かビデオ鑑賞(含AV)もしくはゲームに使う程度だったから、仮面ライダーにも人造人間キカイダーにもマジンガーZにも、ウインクにもトレンディドラマにもほとんど縁なく生きてきた。 その私が、半年ほど前から準テレビっ子といったような生活をしている。老眼化してしまったため、読書が出来ない、家内の観ているテレビ番組につきあうのもよいのだが、場所的にゴロゴロ寝ながらという具合にいかないのでちょっと閉口だ。さてどうしたものかと思案していたところ、テレビにある部品を取り付けると、Amazonが運営している動画配信サイトを観ることができるとわかり、リビングとは別の場所にあるテレビに導入してみたらこれが具合がよい。 Amazon primeビデオというもので、基本レンタルDVD屋と同じだが、決定的に違うのはお金がかかるのは新作や劇場公開されたばかりの作品のみ。ちょっと古い作品は無料で観ることができる(そのかわりAmazonの年会費は必要)これがまた嬉しくてたまらない。休みの日、とくに出かける用事がない時は映画三昧の日々である。昨日・一昨日の2日間で6本も観てしまった。 「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」なんて字幕でないと白けてしまうから無理しても観るが、その他はだらだらと、よほどのことがない限り日本映画か吹き替えものを観ることとなる。あぁ老眼とはいやなものだ。 ジャンルは問わず、というよりもトップに表示された順だから、節操などあるはずがない。架純ちゃんはむしゃぶりつきたくなるほど可愛いけど設定がアッパラパーだよ。純平と彼女、もう少しかっこよく出来ないか?おおおおお!韓国のゾンビ映画面白い!カメジローさん!カッコよすぎるよ!と、無責任な感想を考えながら観るのが楽しい楽しい。 とはいえ、ずっと映画ばかりも観ていられない。時間がない時や気分が向かない時もある。そんな時は別のアプリを立ち上げてYouTubeをだらだら観ることにしている。現代の子どもたち就きたい仕事No.1であるYouTuberだが、あれも若いうちでしか出来ない仕事でもある。若きYouTuberたちの溌剌とした動き、行動力をみているだけで元気になってくる。 YouTubeでもうひとつハマりこんでいるのが猟ものだ。イノシシやシカを銃や罠で捕まえて、捌いて食べるまでというのが面白い。野生動物たちはどのように動き、こちらは先を読んで。といった駆け引き事を観るのがたまらない。一度やってみたいなぁ、と半分本気で猟体験をさせてくれそうなところを探してみたりもしている。 「ゑにし」 小海線 猿久保駅のすぐ近く、あるいは佐久総合病院の北側の道沿いにある店だ。オープンされたのはわりと最近だろうか。以前はもつ煮が美味いとされた居酒屋さんだった気がするが。こちらはシカやイノシシといった野生動物を使ったジビエ料理を出してくれる居酒屋兼食堂という事でお邪魔したのだ。ジビエカレーや猪のネギ塩炒めといった魅力的なメニューが並んでいる。様々な試行錯誤と逡巡と、優柔不断の果てにたどり着いたのがこれだ。 「鹿の山賊焼き定食」800円 山賊焼きとは本来鶏肉を用いるもののはずだが、まぁそれはよしとしよう。山盛り野菜のうえに分厚い鹿肉山賊焼きが4枚、デンと鎮座している。処理が上手いのか、くさみなどまったくなく、しかも柔らかい。箸でとまではいかないが、前歯だけでするっと噛みちぎることができる。山賊焼きといえばガッツリと下味をつける店が多いが、こちらのはあっさりタイプ。ほんわりとガーリックを効かせたところなど、店主の技量のほどがしれる。 会計時に訊いたのだが、こちらのオーナーは猟師兼解体・精肉場をお持ちとのことだった。新鮮な鹿肉や猪肉が定期的に入荷するのと、料理のウデがよいのだ。美味いわけだ。 猟体験と何気なく言ったが、よく調べてみると罠猟にせよ銃にせよ、ほとんど山登りなのだ。となればもっとも苦手なジャンルとなってしまうので、本当に活動するかどうかは、現在鋭意思案中である。
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