更新日:2019年08月21日
戦前にあった京橋の名店「幸鮨」の流れを組む老舗鮨屋さん
四季を映す魚介、それに寄り添う辛口のシャリ、そしてそれらを合わせる極上の職人技、これが江戸前寿司の醍醐味。この三位一体を見事に実現している馴染みのお店にお邪魔しました。入口の暖簾はご主人が一時働いていた人形町「㐂寿司」から贈られたもの、今日はご主人の夏休み明けの初日の握りです。旅行のお土産話に期待をしながら着席しました。燗の酒とお茶を貰って、突き出しの静岡御前崎産の生シラス、佐渡産のモズク、汲み上げ湯葉を戴く。辛口のキリッとした酒に3種の酒肴がとても良く合う。握りのスタートは熊本産の新イカ、この時期にしか食べられないスミイカのこどもはとても柔らかく口の中で溶けていく。青森産の平目は逆に身の引き締まり方が素晴らしく旨みもたっぷり、愛知産の小柱は粒揃いで軍艦の海苔も絶品、長崎五島産の蛸は味がとても濃厚。アイルランド産のクロマグロは赤身のきめが細か旨み豊か、そして宮城産の鰹は東北沖で上りから下りにUターンした所を捉えた絶妙の脂の乗り。濃厚北海道噴火湾産のキタムラサキ海胆の後は、京都でご主人が買ってこられた瓜の塩漬け、天然昆布の味が効いたこれがまた絶品。