
浅草といえば雷門や仲見世が定番だが、飲兵衛にとっては、やはりホッピー通り。 昼から赤ちょうちんの灯るこの通りには、懐かしさと人情が詰まっている。 今回はその中でも老舗の一角、「岡本」で昼飲みを堪能。 席に着くと同時に中瓶を注文。キンと冷えたラベル、グラスに注がれる泡の音。 昼間から飲む瓶ビールには、背徳感と幸福感が同居する。 周囲を見渡せば、観光客と地元の常連が入り混じり、昭和と令和が同居しているような不思議な空間が広がっている。 まず、もつ煮込み。 ホッピー通りと言えば、もつ煮込み。 味噌のコクが効いたスープに、トロトロに煮込まれたモツ。 臭みは皆無で、ひとくちごとに旨味が口に広がる。七味を少しふって味を引き締めると、ビールが止まらなくなる。 次に 白菜漬け。 シンプルな浅漬けだが、これがまた良い。塩加減も程よく、シャキッとした歯応えが気持ち良い。脂っこい肴の合間に挟むと、口の中がリセットされてまた飲める。 居酒屋に定番枝豆。 茹でたての枝豆は、塩がしっかりと効いている。 特別なものではないが、居酒屋でこれがうまいかどうかで店の印象は変わる。 瓶ビールのあとはチューハイに切り替え。焼酎と炭酸だけのシンプルな一杯に、レモンをひと搾り。 甘くないチューハイは、肴の味を邪魔せず、昼から飲むにはちょうど良い塩梅。 大衆酒場にはチューハイが似合う。 追加した 出汁巻き卵。 ふわっと焼き上げられた出汁巻き。出汁の香りが立ち、ほんのり甘い。 見た目も美しく、居酒屋の出汁巻きの中でも上位に入るクオリティ。 店内には短冊メニューがずらりと貼られ、木のテーブルと年季の入った椅子が並ぶ。店員の元気な声、隣席の常連の笑い声、すべてが「街の酒場」としての機能を果たしている。観光地の一角でありながら、決して観光客向けの“つくりもの”にはなっていない。 小一時間飲んで満足!