
プレミアムなねぎま鍋と物腰柔らかな女将さんとの楽しいやりとり。とってもよいお店と出会えました。 太田和彦翁が行かれていたのを観てすぐに予約。待ちに待った日、カウンターの一席で日本酒とともにあらかじめお願いしていたコースを堪能です。 『ねぎま鍋・燻製・鯖焼付コース』 ・お料理三品 口開けはお店の名物、江戸前の玉子焼きとうるめいわしです。どっしりした甘みとコク深い旨みが拡がる卵焼き。飴色の焼き目からほんのりと香ばしさも楽しめます。クリーミーな泡が立ったスーパードライがよく合います。うるめいわしは脇に置いてちびりちびりといくことにします。 続くニ品目は塩どうふにおかひじき、そしてホタルイカを軽やかな酸味の春にんじんのソースと合わせたもの。彩り豊かで春らしさ全開。思わず見惚れてしまい写真撮影を忘れてしまいました。じんわり拡がる豆腐のほどよい塩気、おかひじきのシャキシャキ感、甘旨なホタルイカとなんとも心躍る一品です。 ここで日本酒にスイッチ。今宵は少し肌寒かったので純米酒をお燗でいただくことにします。まずは石川の『手取川』から。オリジンシリーズの『niji』。ぬる目のお燗で穏やかな旨さを楽しみます。選べるお猪口は太田翁にならって富士山デザインの可愛らしいのをチョイスです。 三品目、ニシンの酒粕煮です。身欠きニシンだそうですが、極々ソフトな口あたり。手間がかかっている感がひしひし伝わります。酒粕のこっくりした甘やかさがたまりません。優しいなぁ。大根、にんじんにもしっかり味が入っています。ニシンのパワフルさが控えめで出しゃばってない感じ。まとまり感がいいね。まろやかな味わいの中で青菜の新鮮さが際立ちます。 二本目は千葉の『甲子』。精米歩合80の旨口ながらもシャープな一杯です。 ・燻製盛り合わせ さば、チーズ、さつま揚げ、ブルスケッタ。そしてマグロ。どれも芳しく旨味が濃く凝縮した味わい。中でもマグロは絶品!どっしりとした脂を湛えた身は重量級の美味さ。身の感じは大トロくらいじゃないかしら。お刺身でも間違いないものをひと手間かけてより美味さを昇華させています。見事! 三本目は新潟の『菱湖』。甘やかな辛口。うぐいす徳利でいただきます。春ですねぇ。 ・鯖焼 塩焼きの身はびっくりするくらいにジューシー。こんなに脂でびしゃびしゃなのは初めてだ。鬼おろしの清涼感が心地いいですね。 四本目は福島の『会津中将』。この辺りになるとかなり酔いが回ってきました。でも美味しさはしっかり感じ取れます。 ・ねぎま鍋 さあ、お待ちかねの鍋ですよ!マグロの身の部位はカマトロとハラモの二種。身の美しさから美味しさが伝わってきます。鍋奉行は女将さん。絶妙な頃合いで仕立ててくれます。上品なお出汁に浸かったマグロの身。歯を当てるとホロっと崩れふくよかな味わいが拡がります。じんわり染み入る美味しさ。お出汁をすったネギ、ワカメ、三つ葉。それぞれの食感と風味を楽しみます。ああ美味い。 たまらず5本目。秋田の『雪の茅舎』です。仕上げにふさわしい軽やかな旨みの一杯。 ・土鍋ごはん、香のもの 〆は鍋のお出汁を回しかけた土鍋炊きのご飯です。まず味見でちょっとだけお茶碗でいただきます。これがまた美味い!しっかり粒が立ったもの。ほどよく柔らかめで好みの炊き加減です。二杯目にお出汁ご飯。サラサラとお茶漬け感覚でいただきます。マグロの旨みが溶け出たお出汁を存分に堪能。ああ、幸せ。 ・甘味 デザートはシンプルにあんこ。ナチュラルな甘みに癒されます。 どのお料理も美味しくそしてきちんとしたボリューム。ご飯のお代わりを聞かれましたが満腹で泣く泣く断ってしまいました。 正一合で出される日本酒も気付けば五合空けてしまいました。お料理が素晴らしいからこそお酒も進むんですね。 女将さんの感じもよく心地よい時間を過ごせます。まさによい酒、よい人、よい肴が揃った良店。季節を変えてまた伺ってみたいです。 ごちそうさまでした!