おかめ鮨@芝! 築地から移転し現在は豊洲にある魚河岸だが、それ以前は江戸時代から魚河岸は日本橋にあった。 (関東大震災で壊滅的な被害を受け、日本橋から築地に移転した経緯がある) 歌川広重の浮世絵「日本橋 朝之景」には、日本橋の魚河岸で仕入れた魚を担ぎ、行商へ出かける魚売りの姿が描かれている。 そしてもう一つ…あまり知られていない事だが、江戸には重要な魚河岸がもう一つあった。 それが、落語の「芝浜」の舞台になった芝である。 江戸時代、芝(浦)は遠浅が続く名漁場で海の幸にも恵まれていた。 芝海老は、ここ芝で獲れたのが名前の由来。 芝であがった肴は芝肴(しばざかな)と呼ばれ、「芝の夕河岸」で売られるようになる。 早朝から開く献上魚を扱う日本橋と違い、「芝の夕河岸」では昼頃から豊富な魚介類が並び、庶民の魚河岸として賑わった。 おかめ鮨はそんな「芝の夕河岸」を知る老舗である。 創業は安政2年(1855年)。 三田駅から徒歩5分ほどの場所にあるが、大手製造業の本社ビルが立ち並び、東京タワーの足元近くまで豊穣な海が広がっていたとは、今となっては到底思えない。 実は五代目店主・長谷文彦さんを知ったのは、鮨を通してではなく、「釣り」をきっかけに知ったのだった。 釣り雑誌、釣り情報番組などに出演され、釣りの歴史や指南から調理法や料理の仕方まで豊富な知識と腕前の持ち主であった。 また明治大学の落語研究会出身とあって、玄人はだしのトーク力もあり、その存在が憧れに近いものになって行った。 平日のお昼。 たまたまお休みを貰っていたので、思い切ってお店へ行ってみた。 平日というのに開店と同時に満員となり、すでにご予約のお客さんで賑わっていた。 ちょうどタイミングよくカウンター席が空いており、一人だったからなんとか入れた。 昼時の忙しい時間帯だった事もあり、憧れの長谷文彦さんはテレビや雑誌で見るよりやや険しい表情をしていたかも知れない。 一通りの寿司が客席に運ばれ、職人さん達の手が少し空いた瞬間を見計らって、緊張しながらも長谷文彦さんに話かけてみた。 「あの〜、実は釣り関係で参りました!」 するとサッと手を休め、 「釣り⁉︎ な〜んだー!早く言ってよー!もうぜんぶ食べちゃったでしょー?なんかサービスしなきゃぢゃ〜ん!」 と、俳優の小日向文世のような優しい目になり、ほとんど仕事そっち抜けで釣りの話をしたw なんとなくだが二人の間に共通して言える事は、本マグロなどの高級魚や大きな魚を狙う釣りというよりも、ハゼやキスなど生活の身近にある江戸前の海と魚を愛し、愛でるような釣りの方に惹かれている点である。 そろそろ長居するのも悪いかと思っていると、それを察して、 「ちょ、ちょっと待っててー」 と言って、五代目主人は店の外に出て行ってしまった。 すると女将さんがボクの横にやってきて、 「あれは何かくれるわよ?きっと。」 と、こっそり耳打ちしてくれた。 五代目が戻ってくると、その手には釣り好きのバイブル「月刊つり人」が握られていた。 五代目店主・長谷文彦さんがちゃっかり載っている号だった。 いつか、長谷さんはじめ「東京はぜ釣り研究会」面々と深川冨士見のねり舟に乗るのが、目下の夢である。
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三田の先輩の企業に訪問して打ち合わせの後、その先輩からランチに誘われたのは「おかめ鮨」。 芝浦にて安政2年(1856年)創業で、150余年続く本格的な江戸前寿司のお店。 この現存する最古の江戸前鮨店が先輩の常連先です。 築地市場で仕入れた新鮮な江戸前の美味しいネタを楽しみます。 オーダーしてくれたのは「にぎり」。 この「にぎり」には様々なランクがありますが、その最高峰は「とびきり!!」。 「ボリュームがあるが大丈夫か」と事前に聞かれましたが、その豊富なネタの種類の多さとボリュームにびっくりです。 そもそも江戸前寿司の代表的なネタは「穴子」や「小肌」「漬けマグロ」等が基本。 現在では生魚の長期保存が可能になったことで、「マグロ」も赤身以外の部位を楽しむことができるようになりました。 その「マグロ」は現在の江戸前寿司には欠かすことのできないネタとなっており、どれだけいい「マグロ」を提供できるかが寿司屋の「格」を左右するほどにまでなっているとのこと。 ここ「おかめ鮨」の「とびきり!」には基本の「漬けマグロ」はもちろんのこと、「中トロ」「大トロ」もラインナップに。 さらに「雲丹」「イクラ」も加わりかなりの豪華版。 江戸前寿司では〆た後の魚を少し寝かせてから使うところが多いとのこと。 つまりしっかり寝かせることで身がやわらかくなり、また魚の旨みも出てくるとのこと。 一方で、シャリはすし酢が引き立っていて、しっかりした味のタイプ。 やや癖がありますので、人によっては好き嫌いがあるかもしれません。 「赤出汁」も美味しいです。 このようなお店を1つでも知っていると通になれるかな。 (2024年11月19日再訪) 前回と全く同じシチュエーションで先輩に奢ってもらいました。 やはり「とびきり!!」を。
おかめ寿司さんへ初訪問。 田町勤務は長いのでお店は知っておりましたが、お寿司屋さんは敷居が高いものです。仲間の壮行会でコロナ禍の最中ですが飛沫防止の対策もしっかりされており、安心して食事を愉しめます。いいお店ですね。
お家の近くのお寿司屋さん。とても美味しくいただきました。落ち着いて食事できます。