昼下がり。ひと気のない店内に「いいですか?」と声をかけ店に入ると「どうぞ」と奥から出てきたご主人はパッチにダボシャツ。え?こわい人?ドキドキ。いやいやご主人はぶっきらぼうながら穏やかで丁寧に接客してくれましたよ。なんかこの店、隅っこに高倉健とかいたら似合いそうな雰囲気ですね。 あづま通りの起点をセブンイレブンのある角から横道に逸れると住宅地の中に目立たない感じで三、四軒ほど魅力的なお店が並んでいます。その中の一軒。和食の居酒屋さんですが、最近ランチの看板を路上に出しているのを見かけて通りかかる度に気になっていました。わっぱ飯が800円くらいだったかな。注文するとわっぱ飯の具を何種類か並んだリストの中からふたつ選んでくださいといわれたので、悩んだ末に東京なら地元の食材で間違いなかろうとアサリと穴子を選択。「かしこまりました」とちゃっちゃとわっぱにご飯と具材を詰めたら大きな蒸籠にいれます。ぶわぁーっと湯気の立つ静かな店内でふつふつ沸いてる音を聴きながらわっぱ飯が蒸しあがるのを待ちます。なんとはなしにご主人がお刺身、汁物を整えるのを眺めて。うーん、いいですねぇこの時間。ここは小鉢でも突きながら一杯飲みつつ料理を待つパターンかな……って違う違う。ランチでした。午後も仕事だ(涙)それにしても料理を待つ時間がこんなに心地よい店も珍しい。 「どうぞ」とだされたお膳はシンプルながら美しい佇まい。全体に茶色を基調としつつも要所要所で色が活きている。艶やかこれぞ和の膳。和食の粋って感じ。わっぱを開けるとうっすら出汁醤油と穴子アサリの香りがふわっ。これは絶対いい出汁出てるぞ。さっそくお茶碗に盛っていただきます。醤油ベースのタレというか出汁で煮〆た穴子やアサリの茶色に青菜の緑と卵焼きの黄色がとっても目に快い。品良く控えめな塩気がご飯を艶やかに引き締めて、お出汁と具の旨味が沁み込んだお米に箸が止まらない。うーん、うまいっ。もう一杯。いいの!大丈夫。このわっぱにはいったご飯は全部僕のものさっ。るんるん♪ 主菜のお刺身はサーモンとハマチ。お刺身のハマチの角がたってる感じ、写真でわかります?シャキンとした様がとっても和な感じ。柳刃の引きがいいんだろうな。これでまずかろうはずがない。ちょいとわさびをのせてぺろりとお醤油つけてはむはむ。弾力のあるいい歯ごたえ。これぞお刺身の醍醐味。わさびと調和して甘やかなハマチの旨味が噛むごとに沁みてくる。おぼろ昆布と葱のお吸い物をずるずる。きゅうりとにんじんのお漬物はよくある浅漬けじゃないよ。糠漬けだよ。糠がきいてメニューのなかでいいアクセント。ぽりぽり。気の利いた過不足のないお献立。 無心にランチを食べてたら常連らしき老婦人のふたり連れが入ってきて品よくご主人とやりとりしながら楽しそうにランチしてました。和むなぁ。ご予算1000円以下で安いし。イチゲンでふらりとはいった店で、こんな充実したしみじみおいしいランチにありつけるとは思わなかった。隠れ家的ないい店ってホントにあるもんですね。やっぱり高円寺って変な街。
口コミ(4)
オススメ度:85%
口コミで多いワードを絞り込み
★彡4/23 ラーンチ! わっぱ飯とやらを食べた♡ 刺身つきで美味い♡ カウンター席だけで雰囲気もあり 夜もぜひ行きたいものだ わっぱ飯が800円で 刺身御膳が1000円! メニューこれだけ( ゚д゚)しゃれおつ
高円寺北口の路地裏にある居酒屋。行きつけの美容院からの情報で行ってきました。長いカウンターのお店でとにかくメニューが豊富です。刺身から焼物まで迷うくらいです。 #高円寺 #居酒屋
女性一人でも行けます しっぽりでもわいわいでも、どちらも楽しめる素敵なお店です