天満橋の昼、そびえ立つ鰻の富士山を仰ぐ
【今日のメニュー】 富士うな丼 ¥5500・肝吸い ¥200 ――腹が、減った。 仕事のキリがつき、時計を見ればちょうどお昼時。 ビジネスマンたちが行き交う大阪・天満橋の街を歩いていると、ふと鼻孔をくすぐる香ばしい甘辛い香り。 「昼だけうなぎ屋」。 なんとも直球で潔い屋号じゃないか。 夜は営業せず、昼のひとときにすべてを賭ける姿勢。 嫌いじゃない、むしろ好物だ。 吸い寄せられるように暖簾をくぐる。 お品書きを見るまでもない。 今日頼むべきものは、店に入る前から心に決まっていた。 「富士うな丼、それに肝吸いを」 しばらくして運ばれてきたトレーを見て、思わず絶句した。 なんだこれは。 丼の上に鎮座しているのは、もはや「盛り付け」という概念を超えた、圧倒的な「山」だ。 どこから見ても富士山。 いや、うなぎでできた霊峰である。 思わずメジャーを取り出して測ってしまう自分がいる。 高さ、およそ18センチ超。 横幅もどんぶりから大きくはみ出している。 よし、腹をくくって、いざ登頂開始だ。 まずは箸でうなぎの身をほぐし、口へ運ぶ。 うわっ、香ばしい! 表面は香ばしく焼き上げられ、身はふっくら柔らか。 濃いめのタレがしっかりと染み込んでいて、一口で口の中全体にうなぎの旨味が押し寄せてくる。 うまい。 文句なしにうまいぞ。 箸を進めると、驚いたことに中からはタレが黄金色に染み込んだご飯がギッシリと詰まっている。 うなぎの山を切り崩しながら、タレの染みた飯をかきこむ。 この無我夢中で喰らう時間こそ、最高の贅沢だ。 口の中が濃厚なうなぎのタレで満たされたところで、すかさず「肝吸い」へ。 澄んだ出汁を一口飲むと、三つ葉の爽やかな香りと出汁の優しさが、舌をすっきりとリセットしてくれる。 うな丼と肝吸い、この完璧すぎる黄金のキャッチボール。 「富士うな丼」という高き山を無事に制覇し、最後の一粒まで完食。 胃袋も心も、完璧に満たされた。 あぁ、いい昼飯だった。 やっぱり、うなぎは男のロマンだ。 ごちそうさまでした。
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