夏が暑いのは当たり前だが、今年の夏は特別暑い。そんな暑い暑い8月に昼に訪れたのがこちら「ristorante misola(リストランテミソラ)」。場所は表参道。少し裏道にはいるので分かりづらいかもしれないが、地図を頼りに行ってほしい。イタリア国旗が目印になりそう。
ランチタイムのコースは3種類。前菜・パスタ・ドルチェのシンプルなパスタコースが2,500円。こちらは平日限定。アミューズから前菜、パスタ、ドルチェ、カフェまでついたコースが4,000円。そしてシェフのおまかせコースが7,000円だ。今回は贅沢に7,000円のコースを。なお、前日までの予約が必要なのでご注意を。
まず最初のアミューズ(Amuse)は鮎のパテ。ちょうど旬なお魚である鮎をパテにして提供。周りには白きゅうりのピクルス、オカヒジキを添えて。スパイスにはジュニパーベリー。鮎のパテはちょっと苦味が先行しているが、爽やかなピクルスと程よい刺激のジュニパーベリーが上手く緩和剤になっている。あと感動的だったのがモスカートのワインとの相性。のっけからハイレベル。
続いての前菜(Antipasto)1品目はカジキマグロのコンフィ。周りをキウイのソース、青トマトのソース、青トマト、その他青物など、緑で彩られている。アミューズに続きガラスのお皿での提供が涼しさを演出。程よく脂の乗ったカジキマグロと爽やかな青野菜が口の中で溶け合う。
前菜(Antipasto)2品目は甘鯛のうろこ焼き。甘鯛の下にあるのはイカスミのソースだ。白いお皿とのコントラストが美しい。鱗はパリッと仕上げてありながら、甘鯛の身はホクホクに。ちょっと淡白な味わいがイカスミソースの美味しさを引き立てる。
そんなこんなで気付くとパスタ料理に。パスタ(Primopiatto)1品目はルマーケという名前のパスタ。初めて聞いたが、ショートパスタの一種で、イタリア語で「カタツムリ」の意味らしい。トマト煮込みベースで、具材はタコと枝豆。そしてフェンネルだ。包み込むようなパスタの中には自然になのか意図的なのかタコや枝豆が入っていて、食べやすい。このパスタにはピノ・ネロを。スッキリとした赤がよく合う。
パスタ(Primopiatto)2品目はマファルデーネ。これまた初めて聞く名前のパスタだが、フリル状の形が特長。とはいえ、この料理が出てきてびっくりしたのはパスタよりもゴールドラッシュ(とうもろこしの一種)のほうが主役なのでは、脇役は仔羊。パスタはちょっとした添え物程度だ。食べてみればわかるが、この量のバランスが一番いい。ゴールドラッシュの甘味と仔羊の旨味をパスタが下支えしている感じだ。
さてさてようやく終盤に。メイン(Scondopiatto)は鴨だ。マグレ鴨のロースト。マグレ鴨とはフォアグラを取り出したあとの鴨のことを指す。少し焦がし気味で仕上げた皮はカリッと、丁寧に火入れをされた赤身は旨味が詰まっている。ポルト酒のソースが更に旨味を引きてている。
最後のドルチェは、爽やかにガラスのお皿で。ピスタチオのムースとエスプレッソのグラニタ。柔らかなムースとサクサクのグラニタが口の中で溶け合う。爽やかなんだけど、きっちり後味が残る感じ。調子に乗って食後酒なんかを飲みたくなる、そんな危険なドルチェだ。(飲んだけど)
最後にエスプレッソと小菓子を頂いてごちそうさま。素晴らしいコースでした。頂いた料理はもちろん、ワインのセレクト、サーブの丁寧さ、説明のわかりやすさなど、レベルが高い。一軒家レストランのアットホームな雰囲気で、ホテルのクオリティ。
ちょうど座っていた場所は天井が抜けていて開放的な空間。あちこちに鳥の彫刻があり、まさに空に舞っているような、そんな雰囲気だった。まだオープンして2年ちょっとだが、表参道を代表するリストランテになりそう。おすすめです!