銀座の奇跡である。四丁目交差点の日産ギャラリーの2軒隣で、店内も豪華、店員さんの気配り心配り、物腰動作、そして当然料理も一手間二手間かけられていて申し分ない。この値段で商売が成り立つのか心配になった。 「香り箱」と名付けられたメニューは、縁高仕立てで箱の上面と箱の横から引出しの形の二つのボックス内に、お造り・煮物・焼物・温物・巻物・酢の物・お浸し・豆腐などの椀小皿が並び、揚げ物だけは別皿で揚げ立てを頂く趣向である。 メニューを書き出してみよう。(長文です。) 先付け:加賀太胡瓜コラーゲン煮 胡瓜の皮を剥ぎ、含め煮し、上に枸杞の実を載せてスターターとしている。 加賀太胡瓜は、金沢市とその近郊のみで栽培されていて、太くて短い胡瓜で瓜に近い果肉で、茄子の様な歯触りである。 彩り箱 金時草お浸し 金時草(きんじそう)は熊本県から金沢市に伝わり、茹でるとぬめりが出る。 走りは6月である。 擬製豆腐 裏漉しか細かく砕いた豆腐と野菜入りの卵焼きである。 サーモン柚庵焼き 醤油、酒、味醂に柚の絞り汁を加えた液に小一時間魚を漬け込み焼いたもの。 柚香より調味汁の甘みが出ていて箸が進む。 小巻玉子 ふんわり仕立てた卵焼きである。 海老真丈 頭の部分の殻を残しているところが他店と異なる。 石川小芋 南瓜 「石川」というから加賀「石川県」の産かと思いきや、 大阪府石川という地名からきている。簡単にいうと「きぬかつぎ」である。 くらげ酢 胡麻豆腐 箸で掴むのが難しいほど柔かに造ってある理由は、口に滑り込ませると分かる。 岩もずく酢 スーパーではタレに浸かってパックされているが、この汁は鰹の出汁と酢の配合がよろしい。 温 金時草桜海老掻き揚げと能登椎茸 香ばしい揚げ立てを頂いたが、小振りなのであっという間に口の中が空になった。 また、薄いコロモの椎茸の天ぷらは肉厚であり歯応えを楽しめた。 加賀の郷土料理 鴨小治部煮 金沢のすだれ麩はギザギザの表面が特徴的で、大きめの鴨肉もあるが、 京都の「天下一品」も逃げ出すドロドロスープには驚いた。 お食事 じゃこ御飯 香の物 止め椀 御飯の上に振り掛けられた縮緬山椒の山椒のピリリのインパクトが急峻で、 しかもピークは高いのに、立ち下がりも速く刺激が残らない。 店の方を呼んで、外販していないのかと訊ねて、一袋購入してしまった。 香の物も塩昆布と大根、そして柴漬けであるが、いずれも一仕事してあり、 例えば柴漬けには酢を垂らしてあると思われ、口中をリフレッシュさせる。 止め椀は、豆腐の味噌汁であるが味噌味は仄かであり、三つ葉の香りと 出汁の香りを楽しめた。 菓子はお饅頭との二択で、抹茶プリンをお願いしたが、これが絶品で表面をキャラメリゼしてあり さらに抹茶の苦味が丸め込まれていて、舌触りもプリンというよりムースの様であり、 一緒に頂くお煎茶も香り高い新茶なのだ。 以下、余談ながら: 友人からこの店を大絶賛されて、さらにドリンク無料券も貰ったので来てみたのだが、お勘定を済ますとまたドリンク無料券をくれた。無限ループである。 また、食前に薬の袋を取り出したら、「お薬を召し上がりますか。お水をお持ちしましょう。」ときた。ここまでなら、ありそうな話。なんと、運んできた水が冷たくない。ここまでの気遣いはさすが加賀屋さんである。感服仕ったのである。
駅から近い
個室あり
クレカ決済可
ランチ営業あり
おひとり様OK
北陸の食材と伝統が光る上質和会席ランチ
落ち着いた雰囲気の中で楽しめる北陸料理のコースランチは、石川県の新鮮な食材をふんだんに使用し、一品一品の丁寧な仕立てが印象的です。始めに登場する煎茶から、旬の刺身、鴨の治部煮、伝統野菜を使ったご飯など、どれも繊細で優しい味わい。美しい器や輪島塗の漆器が、特別な時間をより一層引き立ててくれます。デザートの和倉とうふは濃厚な新感覚の味わいでコースを締めくくります。個室対応や心のこもったサービスも評価が高く、大切な人との食事やお祝いにもぴったりのお店です。
























