変わる横丁 変わらぬ串 @新宿
戦後の焼け野原だった新宿西口。 昭和21年頃、露店が集まって生まれた「ラッキーストリート」が、今の思い出横丁のルーツだという。 食料統制の時代、牛や豚のモツが使われるようになり、ここにもつ焼き文化が根付いた。 社会人になって通い始めて、もう35年以上になる。 昔はおじさんサラリーマンの天国だった。 おしゃれ焼酎ブームの頃には女性客が増え、今や外国人が訪れる歴史探訪のような観光地に。 横丁も随分と国際派になったものだ。 そんな中で、昔から大好きなのがこのお店だ。 昭和22年創業というから、横丁の歴史そのもののよう。 ただ、人気ゆえになかなか入れない。 この日は仕事仲間と早めの時間を狙い、カウンターに滑り込む。 ここの楽しみは煮込みと焼き。 特に煮込みの美味さはピカイチだ。 長年継ぎ足されてきた味噌味の煮込みに串をポチャン。 部位によっては、そこから引き上げて炭火で炙る。 このひと手間が実にいい。 肉にはしっかりと弾力が残り、噛むほどにモツの旨みと煮込みの深みが重なってくる。 豪快に見えて、仕事はなかなか繊細だ。 串はおまかせで流れに身を任せる。 最後に気になるものをいくつか追加して、サクッと退散。 長居はしない。 食べて、呑んで、余韻を残して席を立つ。 この横丁には、このくらいのキレがちょうどいい。
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