
高千穂牧場に行った結果、羊に完全敗北した話 人類には二種類いる。 羊を見て 「かわいい。」 と言う人間と、 羊を見て 「うまそう。」 と思う俺である。 最低である。 でも腹減ってた。 仕方ない。 牧場到着。 空気うまい。 景色きれい。 自然すごい。 マイナスイオン。 俺 「肉食いてぇ。」 自然に謝れ。 店入る。 メニュー開く。 羊。 羊。 羊。 羊。 昨日まで 「メェ〜」 とか鳴いてた奴が 今日は 「ジュ〜」 って鳴いてる。 命ってすごい。 運ばれてくる。 ラム肉。 きれい。 丸い。 並んでる。 芸術作品。 いや違う。 昼飯や。 焼く。 ジュゥゥゥゥゥゥ。 この音だけで白飯二杯いける。 煙。 立つ。 俺のテンション。 もっと立つ。 一枚ひっくり返す。 まだ早い。 二枚目。 焦る。 店員さん 「もう少しです。」 完全に保育園。 俺、三歳児。 「まだ?」 焼けた。 食う。 …… …………。 ……………………。 羊ってこんなにうまかったっけ? 俺の知ってる羊、 動物園で草食ってたぞ。 何で今こんな覚醒してんねん。 臭み? ない。 柔らかい? 柔らかい。 脂? 甘い。 もう意味分からん。 ラム肉じゃない。 ラム神。 途中で思った。 羊って 草だけ食って 何でこんな美味くなるん? 俺も毎日サラダ食べてるけど 全然こうならん。 おかしい。 科学者説明して。 焼く。 食う。 焼く。 食う。 もう会話ない。 友達 「美味しい?」 俺 「…………。」 肉見てる。 完全に恋。 店員さん来た。 「網交換しますね。」 ありがとう。 君が今日のMVPや。 途中で野菜焼く。 キャベツ。 うまい。 玉ねぎ。 うまい。 でも脳内ランキング 1位 肉 2位 肉 3位 肉 4位 肉 5位 キャベツ(健闘) 羊強すぎ。 ポテトサラダ食う。 うまい。 でも羊。 味噌汁飲む。 うまい。 でも羊。 水飲む。 うまい。 でも羊。 もう全部羊。 帰り道。 犬見た。 「かわいい。」 羊見た。 「ありがとう。」 最低。 帰宅。 母親 「今日何食べた?」 俺 「倫理。」 違う。 「ラム肉。」 正しい。 夜寝る。 夢。 羊。 メェ〜。 俺 「ありがとう。」 羊 「焼き加減ミディアムで。」 しゃべった。 もう終わり。 翌朝。 目覚まし鳴る。 メェ〜。 設定してない。 幻聴や。 完全に羊に支配されてる。 冷蔵庫開ける。 卵しかない。 「違う。」 パンしかない。 「違う。」 ヨーグルト。 「お前昨日まで羊側やろ。」 裏切り者。 結論。 高千穂牧場は 牧場じゃない。 人類に「肉とは何か」を教育する施設。 かわいい羊を見て癒やされ、 五分後には 「もう一皿お願いします。」 と言っている自分がいる。 食育とは、 命に感謝することだと学校で習った。 俺も感謝した。 二人前。 帰る頃には、 「羊かわいい」と 「羊うまい」 という相反する感情が脳内で共存していた。 人類は進化したのではない。 胃袋に敗北したのである。 #高千穂牧場 #焼肉 #ジンギスカン #牛乳