
【これぞ下町の《街中華》食べ歩記】阿倍野王子商店街界隈で地元民に愛される創業87年の老舗の中華料理店。
《平成元年から変わらないメニューと値段の据え置き!!》
昔は、大阪でも屈指の賑わいを誇った阿倍野の「王子商店街」に隣接する北畠公園本通商店街にある『中華料理 大一楼』は、初代が昭和8年(1933年)の創業。今年で創業87年という地元で古参の老舗中華料理店です。
2代目の宮川静雄店主は現在76歳。先代であるお父さんが病で倒れたことを機にサラリーマンを辞め、見よう見まねで先代の味を継承しようと奥さんのてる子さんと二人三脚で40年以上お店を引き継いでこられた苦労人。
お店は、入口横にショーケース、赤い暖簾といかにも《街中華》然としていて、白い引戸を開けると、クッションを被せた丸椅子のカウンター4席、4人席のテーブルが3脚と、昭和、平成と続いてきた歴史を感じるレトロ感が満載の店内。中に入った途端、なぜか懐かしいキモチにさせられます。
メニューは、中華料理の定番「ラーメン」から焼きそば、焼ビーフンの麺類、各種スープをはじめ、焼きめし、カレーライス、オムライスの洋食、八宝菜、からあげ、肉だんご、天ぷら、えびチリと中華メニューまで多岐に渡っています。
驚くことに、ビール等のドリンク以外のメニューは、平成元年(1989年)から31年間、値段据え置き!!ということ。「ラーメン」「ワンタン」が400円!「八宝菜」「春巻き」が600円!!一番高い「えびチリソース」が900円!!!しかも消費税込みという、今どきの中華料理店ではあり得ない値段設定にびっくり!そして実食してその絶品な味にさらにびっくり!!させられました。
《オススメニュー》
・天津丼:500円
お目当の「天津丼」は、ぷりっぷりの小えびと細く刻んだ青ネギが入ったふんわり玉子焼きをご飯に載せて、ほどよい甘酢と片栗粉で和えた餡が丼いっぱいにたっぷりかかっています。小エビのトッピングがなかなかいい感じで、早速一口いただくと、玉子焼きと餡がなんとも言えない懐かしい味で、ぷりっぷりの小えびがいいアクセントになって、白ごはんに絡めば絡むほど中華な味わいをたっぷり堪能できます。
・えび天ぷら:600円
えび好きな私が《街中華》で外さないメニューが「えび天」で、このお店は10尾以上の小えび天がボリュームタップリに提供され、しかも揚げたてアツアツな上に衣がしんなりして柔らかいのが特徴。
奥さんによると、衣は片栗粉と小麦粉と水と塩をうまくバランスをとって揚げている先代からの秘伝の技らしく、とにかくぷりっぷりの小えびがちょっと塩気の効いた衣に包まれた絶品な「えび天」で、ビールにはもってこいの一品でした。
《追記》
宮川店主が作る一品、一品の中華料理は食材も量もお値段以上の価値ありで、その絶品な美味しさに感動すら覚えるほど。これぞ下町の《街中華》というにふさわしいお店でした。
ちなみに、基本となる中華スープは、毎朝丁寧に処理した鶏ガラと野菜をじっくり煮込みながらアクをとって仕上げるそうで、けっして手が抜くことなく何十年も続けてこられているそうです。
定休日が「金曜日」といいうのがちょっと珍しかったので尋ねてみると、先代が大のプロレス好きで、毎週金曜日の夜はテレビで生中継していた時代とあって、料理しながら集中して観てられない!!ということで、じっくりと観戦できる金曜日を定休日にしたそうです!その名残は常連のお客さんも、ハナキンも関係なく令和時代にも継承されているのでした。
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