
【京都観光&パン屋巡り其の14】
大阪のパン好きでは知らぬ者はいないと言われるル・シュクレ・クール、そのシュクレさんで長年修行されてた方が開いてるお店です。
名神高速と京滋バイパスの交差したすぐ側にあり、周囲も特に何もなく、最寄の駅からは徒歩で1時間近くかかると足がないと非常に厳しいアクセスの悪さ。それだけにシュクレと違って並ばなくてもいいのがポイント高い。パンも全体的に小ぶりでその分値段も手頃。また店内にはイートインできるコーナーもあります。
あと開店は8時ですが、この時間で殆どの商品が揃っています。ハード系メインのお店と言うと早くても10時、場合によっては12時にようやく焼きあがるのが多い傾向にありますがオープンと同時に全力全開。いいですよねこういうの。
【クロワッサン】(200円)
イートインで食べました。層の密さはそれほどでもないですが、丁寧な折り込みと綺麗な焼き上がり、サクサクかつパリパリなクロワッサンの軽妙な口当たりは至福の領域に。バターの芳醇な香りはしっかりありますが、それでもやや大人しい部類に入るので上品なクロワッサンよりバター感満載のクロワッサンを求める方にはオススメできません。
【パン・オ・フロマージュ】(240円)
フロマージュ系はリベイクすると映えると言いますが、リベイク後の香りの大放出もまたフロマージュの醍醐味です。艶のあるもちもちの生地にチーズをたっぷり練りこみ、表面にも大量にチーズを乗せて焼き上げたそれはまさにチーズの宝石。地味に周囲のチーズ羽がチーズ感を加速させているのもポイント。
【シュークルート】(240円)
バゲット生地を使った惣菜パンで、極太のぷりぷりパリパリのソーセージをバゲットに挟んだパン。ジューシーなソーセージに添え付けのザワークラウトの酸味が非常にいいアクセントとなっておりソーセージの油分を巧妙にインターセプト。惣菜パンに抵抗がないならとにかくオススメのパンです。
【ベーコン】(210円)
密かにリピーターを増やしまくってるらしいベーコンを挟んだフランスパン。分厚いベーコンをドカッと詰め込んで焼き上げただけの無骨なパンですがそれだけにベーコンの旨みと生地の美味しさが試されるというこのお店の実力を計る試金石とも言うべきパンと言えましょう。
【フリュイセック】(240円)
レーズン、いちじく、ブルーベリー、くるみ、レモンピールが練り込まれたフリュイ系でシュクレのレ・サンク・ディアマンのミニサイズ版と言った感じ。パリパリのハード生地にドライフルーツがこれでもかと言うほど詰め込まれてこれぞフリュイセックという贅沢さを味わえます。
【フリュイルージュ】(230円)
フリュイセックと同じくドライフルーツを詰め込んだフリュイ系でこちらはストロベリー、ブルーベリー、クランベリーのいわゆるベリー系。香り付けにレモンピールも配合しており、フランボワーズエキスを生地に練りこんでるせいかやや赤みがかった生地で香りも甘酸っぱい。
甘酸っぱさ重視のベリー好きにはフリュイセックよりもこちらでしょう。
【パン・クール】(220円)
ホワイトチョコとクランベリーを練りこんだハート型のパンです。シュクレにも同じパンがありますが、あちらが生地の口当たりの良さを楽しむパンだとしたらこちらは甘さを高めた嗜好性の高いパン。もっちりした生地にクランベリーの甘さと表面のグレーズがねっちりとした歯応えを生んでおりスイーツ的な要素が高いパンです。
【バゲット】(290円)
シュクレと言えばバゲットである以上、ここも同じのを期待してましたが方向性がかなり違う感じでした。シュクレのバゲットの代名詞である極上の香りは控え目で、最近少しずつ増えつつある1本クープ。
注目すべきはクラストで、クラストとクラムの境界線が完全に仕切られてるようにまさに皮。この皮を噛み続ける事で甘みと香りが溢れ出てくる仕様で、パリパリの歯応えあるクラストを楽しむバゲットではなく噛み締める楽しさを味わうバゲットでスプレッドを使うよりもカスクートなどのサンドに向く。
総評です。パンの味、値段、接客、どれも良好。修行元のエッセンスを色濃く残しながらもシェフ御自身のパンに独自の解釈を持たせておりシュクレ・クールと全く同じ味を求めると意外な不意打ちを食らうかもですが、どれも高いレベルで安定してるという安心感が強みで特にハード系好きの人にオススメできます。
しかし一方でアクセス面ではお世辞にも良好とは言えない。阪急京都線の大山崎や西山天王山、京阪の淀、このトライアングルのど真ん中にあるので徒歩だと1時間は覚悟。だからこそ並ばずに買えるとも言えるのですがサンクさんに来るには足の確保は急務でしょう。ごちそうさまでした。
#京都パン屋巡り
#ハード系