名古屋の朝、戦場はホテルのビュッフェ会場だった。 眠気まなこでトングを握った瞬間…… 危険だ。 完全に食欲の導火線へ火が付いた。 ここはただのホテル朝食じゃない。 “名古屋めし無差別級バイキング”だ。 まずは味噌カツ。 甘辛い赤味噌が朝の身体を強制起動してくる。 エビフライは衣サクサク、中はプリプリ。 「朝から揚げ物?」なんて声は、この街では野暮だ。 ハンバーグにソーセージ、スクランブルエッグ。 洋食軍団も抜かりない。 鉄壁の布陣で白飯を迎え撃ってくる。 そこへ、ゆかりご飯。 紫蘇の香りが一瞬の休息を与えたかと思えば、納豆卵かけご飯で再びアクセル全開。 味噌汁が静かに胃袋を整える。 この緩急、完全にプロの采配だ。 そしてカレーライス。 ビュッフェのカレーって、なぜ抗えないのか。 少しだけのつもりが、気付けばしっかり一皿。 俺の理性はルーに沈んだ。 パンゾーンも強い。 クロワッサンのバター香る層。 そして小倉トースト。 「朝から餡子?」 違う。 “朝だから餡子”なのだ。名古屋では。 最後はチョコレートケーキと抹茶ケーキ。 デザートまで抜かりなし。 さらにアップルジュースで流し込めば、胃袋の中で小さな祝祭が始まる。 朝食なのに、満腹感は完全にフェス級。 名古屋の朝は優しい。 そしてちょっと危険だ。 気付けば俺は、“もう昼飯いらんな……”と呟いていた。 ごちそうさまでした。 【今日のメニュー】 ホテルの朝食ビュッフェ ¥2000
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