西麻布の住宅街に潜む九州 @西麻布
六本木の喧騒から少し離れると、住宅街の中に謎めいた美味店が潜んでいる。 それを探し出すのが結構楽しい。 こだわりのある店は料理だけでなく設えにもその個性が表れる。 ここもそのような一軒。 綺麗な樹形の庭木から温かな灯が漏れている。 この雰囲気にグッときた。 一軒家を改造したような造りで、店内もどこか人の暮らしを感じさせるヒューマンスケール。 その中を巡るように進むと、謎めいた小さなにじり口。その先の個室に落ち着いた。 外の街とは切り離されたような、籠る感じが楽しい。 当日は仕事仲間5人。 いろいろ楽しめるコースがお勧めとのことで、それをお願いする。 この店は、福岡で長く愛される「ぢどりの宴屋」の姉妹店。 毎日博多から運ばれる地鶏と九州の食材を使い、東京で九州の味を楽しませるという明快なコンセプト。 なるほど、かなり楽しい。 そして、かなり美味だ。 ◆鶏刺し 艶やかなレバーをはじめ、数種の部位が美しく盛られる。 しっとりとした身に、コリッとした食感。 新鮮だからこその味わい。 ◆地鶏もも炭火焼き ごろりと切り分けられた地鶏を、備長炭でしっかり焼き上げる名物。 表面には炭の香ばしさ、中には地鶏らしい力強い旨味。 これは酒が進む。 ◆お好み焼き 〆に登場したのは、意外にもお好み焼き。 ソースとマヨネーズの上を、たっぷりの鰹節が踊っている。 ふわりと立ち上る鰹の香りに、思わず箸が伸びる。 地鶏だけではない。 九州の食材と食文化を、肩肘張らずに楽しませてくれる。 西麻布の住宅街にひっそり潜む一軒。 こういう店を偶然見つけた時の喜びは、やっぱり格別だ。
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