前川太郎
松阪駅
イタリアン
2874 三重県松阪市。肉の聖地と謳われるこの地にありながら、あえてリゾートの皮を被った「PISOLA 松阪宮町店」へと足を運んだ。 選んだのは「食べ飲み放題スタンダード」。酒など不要。この私と息子、二人の食い手による、純粋なる「食」の真剣勝負である。 羊の滋味、その圧倒的なる物量。 特筆すべきは「仔羊串」と「タン串」だ。 巷に溢れる臭みの強い羊とは一線を画す。噛み締めるたびに溢れ出す野趣に富んだ肉汁、そして鼻腔を抜けるローズマリーの香気。これが食欲という名の獣を呼び覚ます。 息子と二人、無言のままに串を運び、気づけばその数、実に34本。 皿の上に築かれた串の山は、まさに我々の飽くなき探究心の結晶と言えよう。これほどの量を平らげさせるとは、この店の羊、なかなかの代物だ。 技の光る小皿と、調和のパスタ。 「砂肝のペペロンチーノ」や「貝柱のタルタル」といった小皿料理も、主役を食わんとする勢いがある。素材の食感を生かし、絶妙な塩梅で仕上げるその手腕、侮れん。 さらに、締めとして注文した「明太子カルボナーラ」が秀逸であった。 濃厚なクリームのコクに、明太子の鮮烈な辛みが一石を投じる。モチモチとした麺がそのすべてを絡め取り、口中で至高の調和を奏でるのだ。 レシートに刻まれた「合計36点」という数字。 これこそが、我々親子がこのランチに捧げた情熱の証である。 最後はアイスで静かに熱を冷まし、席を立つ。 松阪の地に、これほどまでに食い手を愉しませる場所があるとは。 女将……いや、店員、実に見事な饗宴であった。 ごちそうさまでした、また来よう。














