更新日:2025年12月31日
浜辺の散歩 ふくよかなシャンパンからのスタート。 いつものエタリ(片口鰯)の塩辛バター、薩摩芋のタルト。いつもより鰯の香りが強く、バターも濃ゆい。んん〜♡口中を超えて香りに包まれる。 お次の赤雲丹、昆布のピュレのパイ。もう、これは堪らぬ幸福感。今年は暑いので赤雲丹の餌たちもまだ海に残存しているから赤雲丹が食べられるという奇跡。そしてその赤雲丹の旨味。ここで驚いたのは昆布のピュレの力強さ。強い、強い、余韻。しかも後から聞いたら、この昆布、お出汁を取った後の出涸らしとのこと。だからこそ味をギュッと吸収できるパワーがあると。名役者すぎるポジションの昆布。脱帽。 次は銀杏ベースの上にカワハギの肝。この組み合わせは斬新。コクとコクがあい重なり絶妙だぞ。美味だぞ。 この三品の流れ、鼻腔中に香りが広がって、信じられないくらいの余韻が漂う。この香りに乗って浮遊していたい気分。 波紋のように 次はサラダ。玉ねぎ、ピクルスが入った酢飯にエタリの魚醤と胡麻でマリネされたカワハギ、テングニシ、調味料としての赤雲丹、昆布の泡、これを混ぜずに食す。美味。酸と旨味とのバランス、貝の食感。至福。 余韻 スープ。朝獲れの車海老が入ったラビオリは香茸、昆布、サドルバックの深いコクのスープと共に。車海老のぷりぷり感は瞬間的に美味しく、スープは深い安らぎ。 余市のピノがまた同じ歩調で寄り添う。 Fish&ham 海老を食べているから赤っぽい色をしている紅葉鯛。これがサクッと、身は繊細な柔らかさなフリットに、その上は塩味のある生ハム、これを海苔で巻いて。贅沢な組合せだし、海苔の香りよ。 ガネ素麺 そして再会のガネ素麺。ふわっふわの身、優しさで溢れた渡り蟹。こんな優しい蟹っているの?! 今日は特に味付けも優しく感じて、素麺と寄り添っていた。 イカのエロス タコのブーケではなく、私はお初な「イカのエロス」。イカのゲソをイカ醬で絡めた上にオクラ、イカ墨、薄くスライスされたイカ。 白オクラ、赤オクラ、島オクラの粘り気の強烈さ、粒は大きいけれど甘みもある。イカの柔らかな甘み、エロスというタイトルですが、一枚一枚しっかりとうねり立つイカの身はまるでボッティチェリの絵画のような上品な美しさ。 ここで挟むローヌの白ワイン、湿度感がフランスワインと思えぬ、日本的なワインで美味しかった。 風味 海鰻と万願寺とうがらし。ピリリとした実山椒にいりこ氷出汁。スプーンでいただくよりも直に器を持っていただいた方が、温度感と香りを感じられて美味しかった。 畑と海 地這い胡瓜、鮑、茄子、それぞれがあっち向いてしまいそうなのに、食感や旨みの違いがうまいこと活かされて共存していた。 ひとつの鍋で 本日のお魚のあらなどを出汁にしておじやに。一杯目はお出汁を十分に感じながらサフランの香りも楽しみながら。二杯目は平飼い卵でとじて、そこに辛い醬を添えて。スパイシーでずっと食べたくなる癖になる旨辛。 懐味 最後はバニラアイスと小豆。井上シェフが小さい頃におばあちゃんによく作ってもらったあずきを思い出して作ったというエピソードが、あずき好きでよく炊いていた自分の祖母とも重なり胸が熱くなる。 毎度のことだけど、こちらに来ると 食材への感謝(それもメインの食材、例えば雲丹や海老が食べている微生物や海藻に至るまで幅広く)をすごく感じる。 単純に美味しいだけじゃなく、私は自然の一部に生かされていることを感じる。食べながら生きることと向き合う気持ちになる。 こうやってここに居られることが喜びである。 そういう大きなものが感じられる井上夫妻の世界観が大好き。
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